神楽坂にて美味しいピッツァを頂いたもっさん。
お次へ向かいます。

ランチ2軒目は珍しくも中華料理店さんへ。
広東料理の名店にお邪魔します。





「神楽坂 龍公亭 (かぐらざか りゅうこうてい)」さん。
2024年5月13日訪問。
12時55分入店。

4代を跨ぐ神楽坂の老舗、龍公亭さん。
元を辿るれば明治22(1889)年に開業した「あやめ寿司」さんが出発点だそう。

大正11(1922)年に、あやめ寿司さんは新築した自社ビルへ移転。
その際、1階は変わらずあやめ寿司さんですが、2階には新たに広東料理店として龍公亭さんをオープンされました。
今風に言うところの「多業態展開」を行われた訳です。

その後、時代を経てあやめ寿司さんは閉店し、龍公亭さんのみが残りました。
今なお龍公亭さんの麺類メニューには「あやめそば」があり、往時の関係性を偲ぶ事が出来ます。

◯ 本日のランチ:カレーライス

龍公亭さんのイチ推しメニューは麻婆豆腐。
またランチタイムは日替わりランチが人気の様子で、周りのお客さんのオーダー率も高かったですね。

もっさんのお目当ては著名人も食したと聞くカレーライス。
こいついつもカレー食ってんな。




登場のカレーライス。
ご飯ものにはザーサイ、本日のスープ、中国茶付き。
中華料理店さんへお邪魔するのが久しぶりなら、中華風カレーもまた随分と久しぶりでございます。



ひと口に「中華風カレー」と言いましても、その実情は様々。
龍公亭さんのカレーは、中華丼のカレー味モディファイですね。
煮込み料理ではなく炒め料理、炒め煮料理の部類だと思います。







具材は豚肉、烏賊、海老に玉ねぎ、人参、ピーマン、筍、木耳。
中華の火力を活かした、其々の具材への抜群の火通し。
特にお野菜のシャキシャキ感が実に印象的です。



木耳の入ったカレーとか、まあ滅多にはお目に掛かれますまいて。
個性的な面々をひとつに纏めていますのは、鶏がらスープベースに特製スパイスを合わせたカレールゥ。
片栗粉でしっかりとトロみを付けてあり、否が応でもご飯が進みます。
おほほほ、レンゲが止まりませんな!




セットのスープは玉子スープでした。
スープと搾菜の美味しさは好感度を稼ぎ、お食事全体の満足度を高めています。



その点で、画竜点睛を欠いたと言わざるを得ないのはお茶。
折角ならば、食後に熱々のものを頂けると完璧でしたでしょう。



音に聞こえた名物カレー。
中華料理の底知れなさとカレーの汎用性の高さを改めて認識。
もちろん、お料理の腕前あってこその事です。
ご馳走様でした。

※余談
龍公亭さんの公式サイトでは、冒頭に記載した開業当時の写真を見る事が出来ます。

興味深いのは、1階のあやめ寿司さんの看板です。

「寿し・(1行不明瞭)・コーヒー・ケーキ・アイスクリーム・ソーダー水」

とあり、ファミレス化した現代の回転寿司チェーンも顔負けの商品構成だった事が分かります。

令和の回転寿司と異なりますのは、喫茶メニューが添え物ではなく、寿司と並ぶ主力商品扱いだったであろう点です。
大正モダンを真っ向から取り入れたお店だったのでしょうね。