もっさん、この日は神楽坂へ。
東京メトロ東西線を飯田橋にて下車。
雨の神楽坂をてくてくと上ります。

今回お邪魔しますのは、遠く山陽の地にありながら関東在住のピッツァファンからも注目を集め、話題となっていたピッツェリアさん。
流石に遠いなー。
都内に出来ないかなー。
と思っていましたら、本当に都内へ出店して下さいました。
やったぜ。




「400℃ PIZZA TOKYO (よんひゃくど ぴっつぁ とうきょう)」さん。
2024年5月13日訪問。
11時58分入店。

岡山に本店を置く「400℃ ピッツァ」さん。
オーナーシェフにしてピッツァイォーロ(ピッツァ職人)の河本昌樹氏は今年3月、本店を一旦クローズしての上京。
東京店に賭ける意気込みが伝わってきます。



お店は「kif annex」というマンションの1階、左右に2棟並んだ建物の右奥です。
今時に踏み石+砂利というのが、如何にもデザイナーズマンションらしいですね。

因みに、写真の右側に出来ている行列は人気のパン店「しかたらむかな」さんのものです。



400℃ ピッツァ トウキョウさんはオンライン予約で全ての席が瞬殺されますので、そもそも行列の出来る余地がありません。
訪問のハードルの高さは、もっさんの知る都内のピッツェリアの中でも「指折り」というレベルです。

◯ 本日のプランツォ:神楽 (KAGURA)

400℃ ピッツァさんのメニューはピッツァとドリンクのみで、前菜やドルチェの類は一切ありません。
また、ワンドリンク制を採っています。

もっさんがピッツェリアへ初めてお邪魔する際の定番オーダーはマルゲリータですが、今回はお店の所在地を冠するスペシャリタの「神楽」に惹かれました。
そちらをお願いしましょう。




お先に配膳はサン ペレグリノのフリッザンテ(炭酸水)。




ややあって登場、神楽。
具材は決して多く無いのですが、カラフルな印象を与えるピッツァです。



コルニチョーネ(フチ)を太く高く盛り上げた、独特な形状。
もっさんが知るナポリピッツァとは、大きくシルエットが異なっています。

これはナポリピッツァの一種である

「ピッツァ コンテンポラーネア」

と良く似ています。
が、今回はその辺りのマニアックな考察は一旦置く事とします。
まずは、実際にピッツァを頂きましょう。



ピッツァはカットされずに出て来ますが、ピッツァカッターが用意されていますので、無器用さんもごあんしんください。




生地はふんわり食感で、非常に柔らか。
もっちりむっちり感を抑えて、口溶けの良さを重視されたデザインです。

河本シェフ曰く

「出来るだけ、グルテンを切りたいんです」

との事。
恐らくは一般的なナポリピッツァと比べても生地の含有水分量が多く、生地の発酵時間も長く取っているものと思われます。



神楽に用いられるのは3色のソース。
えんどう豆、赤ピーマン、黄色トマト。



ぱっと見でも赤と緑は分かり易いですが、黄色は少し隠れ気味ですね。
ピッツァのちょうど中央部分に、黄色いペーストが見えますでしょうか。



黄色トマトは赤いトマトよりも甘みが強く、ソースにはその特徴が表れていました。
赤ピーマンやえんどう豆のソースも、設計としては同様ですね。

ソース・水牛モッツァレラ・セミドライミニトマトに共通した甘みの主張が、生地の塩気とコントラストを生じ、全体にメリハリを齎しています。
成る程なあ〜〜〜(モグモグ)。

◯ 本日おかわりのプランツォ:FNT

ピッツァ2枚目は「FNT」。
聞いた事の無い名称のピッツァでしたので、シェフに意味をお伺いしたところ

ふんわり
にっこり
とびっきり

の頭文字だそう。
イタリア語じゃなかったんかーい。

このFNTは「ミシュランガイド京都・大阪+岡山2021」にて、ビブグルマンに掲載されたピッツァ。
メニュー表には「神楽」とこちらの2枚に星マークが付いており、お店からのおススメである事を示しています。



お先に蜂蜜が用意されまして。





次いで、登場のFNT。
しっかりと焦げ目を付けたグリルドチーズが実に美味そうです。



蜂蜜を全量ボルトイン。
カットして頂きます。



メニューに曰く、ピッツァに乗せられたトッピングは河本シェフオリジナルのブルーチーズソースにマスカルポーネ。

ブルーチーズは恐らくゴルゴンゾーラ。
匂いやクセをかなり抑えてあり、万人向けの味付けにチューニングされています。
故に、所謂ゴルゴンゾーラのピッツァやクアトロ フォルマッジを期待すると、やや肩透かしとなるかも知れません。



神楽と同じく、蜂蜜+チーズの甘さと塩っぱさのコントラスト。
トータルでの甘塩っぱさの演出が、河本シェフの得意技なのかなと思います。



どちらのピッツァも、焼き上がりの径に比してソースや具材は多めであり、コルニチョーネでソースを拭って食べるよう推奨されています。



畢竟、生地の成形や焼き方のみならず「あらゆる点が特徴的」と評して差し支えないピッツァです。
⁡そして、美味しい!
成る程、こりゃ予約も取り辛い筈ですね。




食後には久々にアイスピーチティー。
甘くておいちい。

河本シェフは6月いっぱいまで東京に居られ、その後は岡山のスタッフさんと交代されるそうです。

先々の話ですが、このスタイルを焼けるピッツァイォーロさんが続々とお江戸の水に洗われて、どんどんと独立されたら面白いでしょうなあ。
それはまた、日本に於けるナポリピッツァのムーブメントにも影響を及ぼす事になるのではないでしょうか。



とりま、6月迄に全メニュー制覇します。
ご馳走様でした。