もっさん、この日は池尻大橋へ。
時系列的には三軒茶屋にて、ティラミスプレートを頂く前の事になります。

半年ぶりとなる池尻大橋・三軒茶屋エリアでの食べ歩き。
その1軒目は、お寿司屋さんからスタートです。




「寿し処 花笑み (すしどころ はなえみ)」さん。
2024年2月10日訪問。
11時58分入店。



田園都市線池尻大橋駅より、徒歩で5分弱。
旧大山街道沿いにて営業の「寿し処 花笑み」さん。

元々は「立ち喰い鮨 ブラボー」さんとして2023年3月に開店。
約7ヶ月半の営業の後、同年11月頭にいったん休業。
11月末には着座スタイルのカウンター寿司「花笑み」さんとして再オープンされました。

立ち喰い時代から少し値上げをされたとは言え、その美味しさは折り紙付き。
もっさんも昨年の「もっさんグランプリ」にて、同店を寿司・海鮮丼部門の部門賞に選出しております。
今回は初の試みとなるスペシャルコースが提供されると聞きつけ、予約しての再訪です。
◯ 本日のランチ:海老・カニSPコース




先ずはお茶とガリがセットされます。
このガリがとても美味しい。
乳酸菌飲料やヨーグルトを想起させる柔らかな甘酸っぱさ。
他所のお寿司屋さんでは同様のものを頂いた事が無く、やはり漬け酢が独特のものなのだそうです。



大将の尾崎純氏から挨拶とコースの説明があり、次いでこの日の食材のプレゼンテーション。
もっさんを除いた(血涙)各席にお酒が配膳されますと、お料理のスタートです。
◯ 1貫目:雲丹ミニドッグ



コースは挨拶代わりの雲丹ドッグからスタート。
花笑みさんでは雲丹の握りを「ブーケ・軍艦・ドッグ」と3種類で提供しており、お店の看板メニューのひとつです。

◯ 焼き物:豆乳の和風蟹グラタン




2品目は意外や!蟹グラタン!
そら豆の皮を器として用いるデザインセンスの良さと、鮨コースの2品目にグラタンを出して来る大胆さで、カウンター全員の度肝を抜きます!



ベシャメルは豆乳とお出汁を用いた和風仕立て。
濃厚ながら抑えめの味付けが蟹やそら豆の旨みと甘みを引き立てており、両者との相性も抜群です。

◯ 2貫目:墨烏賊




「では本格的に握り始めます」

と、今度は鮨ネタのプレゼン。
もっさんから尾崎氏に「ドヤ顔お願いします」とリクエストしてこの表情です。




墨烏賊は塩であっさりと。
甘さを抑え、白酢の酸味を立たせたシャリに良く合っています。

◯ 3貫目:〆鯖



尾崎氏お得意の2枚付けでの握り。
サクは斜めに切り出すのでは無く、垂直に包丁を入れての切っつけ。
女性向けにシャリを小さく握ったときにサイズを合わせ易く、また食品ロスを減らせるという工夫です。

◯ 小鉢:あん肝




◯ 4貫目:甘海老のいくら醤油漬け




甘海老は裏漉ししたいくらを漬け地に加えた、「いくら醤油」漬け。
上からも漬け地を掛け回し、小丼仕立てとしています。

これはアカン奴や!
大きなドンブリに山盛りで食べたい!
この日の白眉でした。
◯ 5貫目:鰆




鰆はスモーカーで藁を燻し、藁焼きの風味を付けています。
適度なスモーキーさが実にうまし。

◯ 椀物:焼き蟹 カリフラワー擦り流し




お椀には焼き蟹がどすんと!
おつゆはカリフラワーを豆乳とお出汁で伸ばした擦り流し。



蟹とカリフラワーの甘み・旨みが最大限に引き出されており、両者のシナジーもまた素晴らしいです。
⁡控えめに言って絶品です。

◯ 6貫目:鮪 赤身と大トロ
◯ 7貫目:鮪 中トロ





前半の〆は、鮪2貫を食べ比べの趣向。 
中トロは塩竈での水揚げ、150kg物。
赤身と大トロは近海産の17kg物。
これを合わせての2枚付けとしています。




塩竈の中トロは、そりゃもう見ての通りに旨いですよ!
が、赤身と大トロの2枚付けも、それに匹敵する美味しさ!
どちらも旨みが蕩けてきますぞ。

お鮨の美味しさとはイコール素材の良さでは無く、仕事の入れよう、工夫の仕方で如何様にも変わるものだという好例です。
8貫目:鰤 燻製漬け




鰤はサクを燻製にしたのではなく、燻製した漬け地への「燻製漬け」。
程よい燻香が鰤の味わいを引き立て、脂気の強さを良い塩梅に消しています。
素晴らしい仕事っぷりです。

◯ 9貫目:平貝



◯ 10貫目:牡丹海老




◯ 焼き物:牡丹海老頭



◯ 11貫目:白子のリゾット




大手寿司チェーンでシャリカレー🍛をやっていましたが、こちらはシャリのリゾット!
スープは白子を用いており、濃厚かつしっかりと純和風な味わいにビックリ!

◯ 12貫目:半熟いくら



鮨ネタとして、半熟いくらを頂いたのは初めてです。
いくらの旨みをそのままに、甘みを引き出した完璧な火通しです。
やっぱり魚卵は世界を救うんやなって。

◯ 椀物:蜆の赤出し




赤出しは浅手のスープボウルにて。
熱々のうまうまです。

◯ 13貫目:煮帆立



煮帆立は貝柱を解しての握り。
高い位置からたら〜〜りと煮ツメを垂らすパフォーマンスもお見事です。

◯ 14貫目:毛蟹巻き


コースの大トリは毛蟹の巻き物。
もはやシャリより毛蟹の方が多い、多くない?!
うまあああい!
以上の14貫+5品でコースは終了。
希望者には残ったネタをありったけ用いてのお代わりタイム付きです。

◯ 追加1貫目:鱒




◯ 追加2貫目:甘鯛 昆布〆




◯ 追加3貫目:毛蟹




◯ 追加4貫目:鰤



◯ 追加5貫目:鮪 赤身と大トロ



◯ 追加6貫目:煮帆立



◯ 追加7貫目:カマトロ漬け




⁡追加はコースに入らなかった鱒と甘鯛。
もっさんからリクエストで、カマトロの漬けもお願いしました。





卓越した技術を下敷きに、お料理へ発揮されたセンスの良さ、アイディアの数々にほとほと感服。
美味しく楽しいエンターテイメントでした。
ご馳走様でした。