本郷にて美味しいハンバーガーを頂いたもっさん。
お次へ向かいます。

都営三田線の春日駅へ移動し、そこから日比谷へ。
日比谷駅では屋外に出ず、そのまま案内看板に従って構内をてくてく。



目的地はこちら。
帝劇ビルの地下飲食店街です。

肉を食べた後は魚でしょう。
かつ、ハンバーガーのどっしりした味わいに負けないものと来れば。
大好物の、にょろにょろした奴を頂きます。





「神田きくかわ 日比谷店 (かんだきくかわ ひびやてん)」さん。
2024年1月15日訪問。
12時49分入店。



創業は昭和22(1947)年。
70年以上の歴史を刻む「神田きくかわ」さん。
鰻界隈には江戸後期から続くようなお店もありますが、きくかわさんのように戦後間も無くから3代を跨げば、十分に老舗と言って良いのではないでしょうか。



神田きくかわさんは神田本店の他、日比谷、上野毛に3店舗を展開。
食べ歩き人として、順当に行けば本店さんからお邪魔するところです。

が、日比谷店さんも昭和41(1966)年に帝劇ビルの開業と同時にオープンと、既に60年近い歴史をお持ちです。
また、帝劇ビルは2025年から全館が建て替えの予定であり、地下街の各テナントの去就も明らかにはなっておりません。
このタイミングならば、日比谷店さんへお邪魔するのが良いように思いました。

◯ 本日のランチ:うな重 ハ



きくかわ日比谷店さんの店内は「旅籠」を模したデザイン。
地下街に有りながら瓦葺き調の庇を設けるなど、中々に凝った作りです。

メニューもそこはかとなくレトロ感があり、うな重は「並・上・特上」ではなく「イ・ロ・ハ」よりの選択。
イで鰻が1尾、ロで1尾半、ハで2尾だそうです。
折角なのでうな重は「ハ」をお願いしましょう。



きくかわさん公式サイトに拠れば、鰻の調理は裂きと串打ちに2分、白焼きに6分、蒸しに20〜25分。
「色付け」と称するタレ焼きが5分で、計33分から38分が必要だそうです。
ランチタイムは恐らく、蒸しの工程まで終えたポーションを用意してあるものと思われます。
店内は混み合っていましたが、15分ほどでお料理の配膳でした。

うな重には肝吸い、浅漬け、お新香、水菓子付き。
浅漬けとお新香が両方ついて来るのは珍しいですね。



はいぱっかん。




おっしゃキターーーー!
鰻は尾の方を折り返してのご鎮座。
ご飯が見えないうな重は、矢張り心が踊るというものです!
この盛り付けもきくかわさんの拘りだそう。



鰻は国内の養鰻場から生きたままのものを仕入れ。
上野毛店に併設の「立て場」にて1日から3日休ませる事で鰻が泥を吐き、臭みが消えると共に身が締まるのだとか。



鰻はじっくりの蒸し上げで身ごろはふっくらと柔らか、かつ柔らか過ぎず。
白身は口内ではらはらと解け、脂がじゅわっと広がります。
熱々なのも嬉しいですね!
旨し!!



タレには砂糖やみりんを用いず、甘みはレンゲ蜂蜜のみというのがきくかわ流。
伝統的なお江戸の鰻屋さんは、甘みを抑え醤油の味わいを立たせた辛口のタレが多いように思います。
きくかわさんのタレにはしっかりとした甘みの主張があり、かつキリっとした塩っぱさも同時に主張してきます。
後味はスッキリとしたキレの良さ。
はあああ、成る程!
こりゃ美味しいわ!!
ご飯に染みたタレの塩梅も完璧ですね。



肝吸いはお出汁がビシっと効いた、やや濃いめの味付け。
当然中の人もご在宅です。
こちらも熱々なのが実に良き。



後から知ったのですが、キャベツを主体とした浅漬けは「キャベジン」と呼ばれるきくかわさんの名物なのだそう。
量もたっぷり!
その量の多さを活かして、鰻の合間合間に細かくキャベツを摘んで舌をリセットさせます。
うん、こういう鰻の頂き方も贅沢で良いですなあ〜〜〜。



お新香は例によって最後まで残しておき、お茶と一緒に頂きます。
写真には残していませんが、もっさんが水分をガブガブと摂るタイプと察してか、お茶は後から急須ごと配膳されました。
お味は元より、こうした気配りも流石ですねえ。




立地の良さも相俟ってか、店内には外国のお客さんもそこそこ。
観光客っぽい方も見掛けましたが、それ以上に日本人にアテンドされた接待、若しくはビジネスランチと思われる方が多かったですね。

そら外国の方も、きくかわさんならお喜びになるでしょう。
一朝一夕には出せない、雰囲気の良さ。
もっさんもどなたかを招待するとあれば、自信を持ってお連れ出来ますね。
ご馳走様でした。