私が取材・執筆に関わった『エスグラ流人気エステサロンの作り方』という書籍が
6月22日に発売になりました。
これは、「第2回エステティックグランプリ(通称:エスグラ)」の受賞者や
業界関係者によるサロン運営のためのノウハウ本です。

エスグラ本

私は普段、ナチュラル系のセラピストさんを取材することが多く、
いわゆる「エステサロン」というものには
仕事でもプライベートでもあまり縁がなかったのですが、
今回の取材を通して、エステサロンに対する印象がとても変わりました。

高い回数券や化粧品を売りつけられたり…という
あまりよくない印象をもたれがちな業界イメージを変えようと、
一生懸命努力している方たちがたくさんいます。

そして、使う粧材の原料にこだわり、
オールハンドで本来の美しさを引き出そうという考えのサロンも増えています。

今回の取材は3月末に行われた
エステティックグランプリの大会を見に行くことから始まったのですが、
開会挨拶をされた前回のグランプリサロンの方のスピーチが印象に残っています。

それは仙台にあるサロンで、昨年グランプリを獲得し、
「さぁ、これからだ!」という矢先に東日本大震災に見舞われ、
倒壊こそしなかったもののサロンの中はぐちゃぐちゃに。

どうにか店内を片付けたけれど、サロンに来るお客様などいない日々。

震災後、「そんなことしてる場合じゃ…」という気持ちから
多くのサービス業の方たちは打撃を受けたことと思いますが、
エステはその最たるものだといえるかもしれません。

そのサロンでは「自分たちにできることを!」という思いから、
水道やガスが復旧していない人たちに向けて、
500円でシャワーを利用でき、プラス10分間マッサージ付きというサービスを開始し、
そのお金はすべて義援金として寄付されたとのこと。
シャワーをあびたい気持ちから来た人たちの疲れ切った体に、
その10分間のマッサージは
とても大きな意味を持つものだったのではないかと想像します。

今年、グランプリを受賞されたサロンのオーナーの方も
「人は美しくなると心にゆとりが生まれ、周りの人に対して優しくなります。
誰かに優しくされると、その人は周囲の人にも優しくなり、
優しさの輪が広がっていきます。
エステティックはその優しさの輪を広げていくきっかけを作る仕事だと思っています」
と語っています。

「美しくなること」「人の手で優しく触れられること」は生きていくうえで、
とても大きな意味を持っている、改めてそう感じさせてくれたお仕事でした。


『エスグラ流人気エステサロンの作り方』 (セラピスト編集部編・BABジャパン刊)