今になって騒ぐ問題か(バス旅の亜種) | Watashi Dame Zettai by MOAChans

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 札幌市の地下鉄網です。

 札幌市は東西方向と南北方向が概ねそれぞれ20kmくらいで、扇状地の傾斜が緩い土地が概ねその市域です。

 最初にできたのが、オリンピック冬季大会開催に伴う交通インフラストラクチャの整備を兼ねた緑線の南北線です。南北線は当時の設計思想なのか首都圏の地下鉄と違ってスケールが小さい鉄道でした。

 そうでありながら、走行区間の断面は通常鉄道の乗り入れが可能な容積があるとされています。遠い将来に国鉄(現JR東日本)との相互直通運転も視野に入れていたのかもしれませんが、建設費が高騰したことから平岸ー南平岸間で地下走行区間から高架区間に切り替えられることになり、この間の地上と地下の切り替え区間が急勾配になりました。

 このことが世界的に稀有な線路形態を採用することになります。ゴムタイヤで駆動する案内軌条方式です。走路面中央にガイドレールがあるんです。

 急勾配が鉄輪駆動の通常鉄道の走行に向かないと判断したんですね。

 酷寒地でありながら人口100万人超えの大都市というのは、世界的に稀であるという自負が当時の札幌市にはあった。

 それを売り物にして橙線の東西線を建設して通年の交通事情の改善を目指しました。

 いずれの路線もバス路線は最寄りの駅までの路線に改め、都心部へのバスの流入を抑制したのであります。

 この思想自体は、私的には運賃支出が嵩むということで今でも嫌っておりますが、実はこれは2024年以降の運転士職問題に対しては先見の名だったと思います。

 問題は調子に乗って整備してしまった濃紺線の東豊線を北東から南東を結ぶ路線に整備したことだと私は考えています。

 なぜ問題なのか、それは上の図面で明らかに見える話ですが、地下鉄網の利便性に地域格差が生じているということです。

 北東の方には丘珠空港という交通の結節点があり、南東の方には今や悪名高い「札幌ドーム」が位置します。一見有用な路線の配置に見えますが、空港にしてもドームにしても駅直結ではなく、バスを利用するにはアクセスが悪く、バスを利用するほどには遠くないという中途半端な状況になっています。

 そしてもう一点が今更のように問題提起しているダイヤ改正に伴うバス路線の改廃の問題です。

 この悲劇というか呆れる状況は、東豊線の線引きが北海道中央バスの運行エリアとかぶってしまっていたということが大きいんです。

 東豊線整備も先の2路線同様バス路線は最寄りの地下鉄駅までに整備し、バスを都心に向かい入れないという札幌市の方針は変わっていなかったのですが、北海道中央バスにはそのことが受け入れられず、地下鉄整備後もバスは都心までお客さんを運んでいるケースが多々残っていたのでした。

 

 

「どこから乗ればいいの私?」戸惑う利用者 札幌圏・路線バスダイヤ改正で減便 運転手不足深刻北海道中央バスはダイヤ改正で札幌圏の路線バスの大幅な路線短縮、減便を始めました。利用者からは戸惑いの声も聞かれます。前田愛奈記者)「福住駅バスターミナル、通勤通学の方多く利用されています、そしてみなさん地下鉄の乗り場の方へと向かっていきます」地下鉄東豊線福住駅のバスターミナルは乗り換え客で混雑していました。北海道...リンクyoutu.be

 

 このケースは概ね水色のエリアに居住される住民の皆さんが、従前は都心部までバス1本で移動できたものが、当該エリアのバス路線が東豊線の末端「福住駅」までのフィーダー路線化という交通計画に基づいた路線に短縮されたことにより、お客さんが不便になったことを訴えているのでありますが。

 報道では、使用者が利便性を喪失したことを論じておりますが、フィーダー路線化が地下鉄整備完成時に成っていればこのような問題には成っていなかったということについては論じられません。

 この辺はマスメディアも住民も理解不足ということもありますが、行政の側も説明不足。

 っていうか合意形成できないままに地下鉄が整備されているという日本型のコンテクストを提供しない求めないという現状が生み出した弊害でしょう。

 

 

 

 
 こちらはもうちょっとややこしい問題です。
 元来ピンク色の地域は札幌市交通局のバス事業が所管していた区域で、白石駅という拠点(最初に東西線ができた時の東端駅)をHUBとしてバス路線網が整備されていた区域です。
 この区域は札幌市交通局の経営改善のためにバス事業から撤退を決定した時にJR北海道バスや北海道中央バスに路線を移譲します。実際には現在も札幌市から補助金交付を受けていますし、どうやらバスの運行を札幌市から北海道中央バスに業務委託している節もある。
 ならばバス事業から撤退ではなく、バス事業を保持したままバス運行をバス事業者に委託するかバス運行管理について指定管理者制度を用いるという方法もあったと思います。
 まあ、指定管理者制度自体は札幌市のバス事業撤退の後から行政の民間活力利用という面で出てきた概念なんで、いまさらなんですけど、東京と横浜では普通にバス事業の外部委託はしてましたからね。札幌市はバス路線の移譲という形を採用したに過ぎません。
 こちらの動画では空港連絡バスの運賃がJR利用運賃を上回ったということが取り沙汰されていますが、この先の話となれば、空港連絡バスの廃止の話も出てくるでしょう。
 そうなってくると、お祭り騒ぎのエスコンフィールド新駅に快速エアポートは停まらないということは充分に考えられますね。この点はエスコンフィールドのステークホルダーがJR北海道にただ乗りすることを見直す必要があると思います。
 そのことについても行政の説明不足とマスメディアと住民の理解不足があるようです。
 
 
 
 最後の図面は緑で囲った市域とその外の地域の地域格差を示す図面になると思います。
 緑で囲った部分は地下鉄1区の運賃210円で都心部から移動できる区域です。
 これに橙色の東西線に並行する形でJ R線が走り、緑色の南北線もその西側に並行し途中交差して北に向かうJR学園都市線が札幌駅を起点として伸びている。
 札幌市内でも疎密があるわけです。
 これらについては今更問題提起する話ではなく、みんなが看過していただけともいえると思います。
 
 
 
 
      
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