「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 抹茶の香る密室草庵」 | オヤジのブログ

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「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 抹茶の香る密室草庵」

 



現代では普通の元OL関口優佳、しかし、祖母から引き継いだ家の納戸奥のタイムトンネルで、ひとたび江戸の街に出れば、別嬪で切れ者と評判の女岡引、おゆうに変身する。2つの時代を行き来して、様々な事件を解決していくシリーズ10弾目。

----あらすじ----


「泊まり客の姿が見えない」、と公事宿、白井屋の主、喜右衛門から相談を受けたおゆうと岡っ引き仲間の源七。

いなくなったのは、駿河の安倍の茶園の名主で、名を徳左衛門といい、3日ほど前から宿泊していたのだが、昨晩から姿が見えないという。

荷物は部屋に置いたまま、宿代も先払いしてあるといい、またそれまでの徳左衛門の様子から、遊廓などに遊びに行くような雰囲気でもなかったことから、何か起きたのではと不安を感じた喜右衛門が番屋へ人を向かわせたらしい。

手分けして徳左衛門の行方を探し始めるその最中、徳左衛門は大川の川端で遺体となって発見される。
定廻り同心の鵜飼伝三郎(おゆうに十手を預けた同心で、おゆうが深い仲になってもいいと思っているがなかなか進展しない相手)らとともに詳しく遺体の検分を行うと、徳左衛門の額には殴られたと見られる傷が見つかった。

それは、これが事故ではなく殺人であることの証であった。
さらに、喜右衛門の話によると、徳左衛門は訴状のようなものを携えており、何か切羽詰まったような様子だったと言う。
普通なら、名主から訴状を出すとなれば領地の代官所を通すのが筋なのだが、それを飛び越して江戸に出てくるとは余程のことがあったのだろうと推察される。
もしかすると、その訴えを起こされると都合の悪い何者かによって殺められた事も考えられる。
伝三郎の命を受けて徳左衛門殺しの下手人を探すおゆうたち。
お茶と言えば、このところ妙に茶葉の値段が高騰している。
訴状の内容はもしかしたらこれに関連しているのかも。
おゆうは徳左衛門と取引のあったと思われるお茶問屋をあたり始める。
そんな折、第二の殺人事件が発生する。
お茶問屋の大店、清水屋の主、章五郎が殺されたのだという。
それも、伝三郎の上司にあたる、南町奉行所内与力の戸山の目と鼻の先で。
その日、戸山は、清水屋と同じ株仲間の茶問屋の主たちとともに茶会に招かれ、清水屋の寮の待合の部屋に集り、会が始まるのを待っていた。
その茶会が行われるはずの茶室の中で章五郎は首を絞められて殺されていたのだった。
茶室は母屋の廊下から中庭に突き出す形で作られていて周囲からは見通しが効き、人目を盗んで出入りすることは難しい場所にも関わらず、茶室には章五郎以外に出入りした者は目撃されていない。
そのことは戸山自身も証言しており、いわゆる密室殺人と思われた。
茶所の名主と取引先の茶問屋のあるじ、二つの殺人事件の間に一体何があるのか。
そして密室の謎は?
おゆうは家の納戸の奥を通り現代の東京へ、そして本来の元OL関口優佳に戻ると、同級生の分析おたく宇田川聡史へ連絡を取り、科学捜査の力を借りながら謎を解き明かす。

 

※筋は説明しやすいように前後入れ替わっている可能性あり

気になる方はぜひ読んでみてください


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昨年秋には出ていたというのに、色々あってすっかり出遅れた。
今度はお茶の話。
よくまあいろいろ色んな方面から話を持ってくるね。
お茶といえば静岡と思っていたけど、宇治茶の方が有名だったんだな。
まあ京都といえばお茶っていうくらいだから、そうなんだろうなあ。
清水の次郎長はもうちょっとだけ後の時代かな。
旅行けば、駿河の国に茶の香り・・・・
今まで気づいてたのは伝三郎側だけだったけど、今度は宇田川も気づいた、というか確信を得たね。
今後、そのあたりの腹の探り合いになるのかな。
お互いの正体がはっきりしたら、一悶着起きるんだろうか。
まあ、伝三郎が思っているように、関係を壊さずこのままというのが、読者的にも良いとは思うのだけれど、タイムスリップの謎というか、理由とか、そんな事も解明されていく流れなら、その辺は避けては通れない気もするが、お互いの正体を知った上でなお関係を続けるという道もあるし、なんなら伝三郎が現代にに来て・・・なんていう展開も、とまあ妄想は膨らむ訳で・・・
それにしても、まさかあの人が出てくるとは思わなかった。
史実的には居ておかしくない訳だし、目明し、岡っ引きの話となれば、出てくるのはある意味必然なのかも。
この人、といえば思い浮かぶのは中村梅之助なんだけど(古いか?)、ここに出てくるのはもっと若い感じだね。
それにしても、これでまた登場人物が増えたな。
役者が揃うっていうけど、こうして史実上の人物が出てくるのはおもしろいし、ちょっとワクワクするね。
この人は今後も出てきそうな気がするけどどうかな。
多少設定が甘いとか、ちょっと都合良すぎ?みたいな事があったとしてもこれに関しては全然問題なし。
一番最初から読んでいるからね。
今回も楽しく読みました。