『「お久し振りです」といったのである。彼女は私たち二人の名前を覚えていた!』
トム・ピーターズ氏らがワシントンDCに急遽泊まることになり、予約はしていないものの、以前泊まったことのあるホテル、フォー・シーズンのフロントに行ったときのこと。
当時、フォー・シーズンはオープンしてまだ一年目にして随一の人気ホテルで、
「私たちはそのとき一瞬のうちに了解したのである」
著者らはまさか名前を覚えていてくれるとは思ってもいなかったのです。
このことが〝卓越する企業とは〟という秘密を探る問いかけにもなっていったようです。
予約をしていないお客様の名前を覚えることは、なかなかできることではなく、サービス業だからできたということでもありません。
そこにはホテルの基礎となる企業文化が育っているに違いないのです。
ワシントンという地域的なものもあるかもしれません。
昔、ワシントンに宿泊したときに感じたことですが、政治の中心地であるワシントンは、要人も多いことから、ホテル業界のサービスレベルが他の地域よりも高いことを実感しました。
朝食のメニュー一つにしても、健康志向など非常に気を配り、配慮のほどが伺えます。
地域については、それぞれの地域や風土に合った特色・特徴を生かすことがますます求められています。
因みに、フォー・シーズンは人気ホテルとして未だに健在です。
『エクセレント・カンパニー』《超優良企業の成功の秘密を探る》