実のところは、仕事で近くまで来たので寄っただけだが…
平日で、まだ海水浴の季節ではない。
地元の方と思われるご高齢の方々数人、何れもひとりで歩いている、と中高年の男女一組しか海岸には見られない。
その男女がもじもじしながら私に近づいてくる気配だ。
「も~あなたが言ってよ~」みたいな感じで。
あ~写真撮ってくださいってことかな?
お安い御用で、と思ったが、とっさに友人(女性)の言葉を思い出した。
「私の母は『いいかい、40過ぎて手を繋いで歩いてるのは不倫だよ!』って言ってた…」
そんなこと何故自分の娘に言うのか不思議だったが、その説を採用すると、この二人は不倫という事になる。
まずい!
その後に殺人事件が起こって、写真がアリバイ工作に使われたらどうしよう⁉
感心する程面白くない2時間ドラマでよくやっているではないか?
「仕事中に何故海に行ったんですか?」などと警察に質問されたら?
「海が見たくて…」と言って信用してもらえるだろうか…
最後には私も崖の上に呼び出されちゃうのか?
君子危に近寄らず、だな。
私はその場を立ち去り、車に乗り込んだ。
それにしても海はいいよな~
ひとりで歌っちゃうのは、RCサクセションの『海辺のワインディングロード』だ。
もっとも、この道は海岸に沿ってほとんど直線だから、曲がりくねってはいないが…



