ジムの更衣所で、よく見かける青年と居合わせた。
私はここにおしゃべりをするために来ているのではないので、積極的に人に話しかけることはあまりしない。
しかし、なぜか私は彼に話しかけた。
「失礼だけど、君、大学生?」。
彼は答えた。
「はい。大学3年です。」
理系だそうである。
彼は続けた。
「でも、大学、辞めようかな、と思ってて...」
ふ~ん。神妙な話になっちまったな。
「人に話すと、皆『辞めない方がいいよ』って言うんですよね」
そりゃあ、辞めた方がいい、という奴はいないだろうな。
でも何故?友達がいないの?
「はい...実は大学に行きたくなかった時期があって、それで1年留年して、また行き始めた時には既に友達のグループが色々できてて、それに入れなくなっちゃって」
なんだ、当たっちゃった。
友達、一人もいないのかね?
「二人いますけど、学科が離れた場所にあるんで、昼飯一緒に食うのにも大変なんです。留年もしちゃったしなぁ~」
なるほど。
俺は、大学辞めるな、とは言わないけど、そんなの何も問題無いじゃん。
「そうですか?」
そうだよ。
では、君は何のために大学に行ってるんだね?
「勉強するためです」
でしょ?
君は勉強するために大学に行っているのであって、友達を作るために行っているのではないわけだ。
友達は行った結果としてできるだけで。
つまり、友達がいる、いないは全く関係ない。
「そうですか?」
そうだよ。
それに、二人もいるんでしょ?そんなもんだよ。
友達ごっこをやっているよりも、友人が二人いる方がいい。
あしたのジョーを読み給え、とは言わなかったが。
留年も、全く関係ない。
たった1年だろ?
例えば君が21才だとして、1/21は結構な割合かもしれんが、私にとっては1/50だ。
1年なんて、どうってことないぞ。
つまり、君が50才になれば、同じ人間の同じ1年なのに、大したことではなくなってしまうのだ。
「そっか~」
さすが理系だ。
彼は私の論理を深く理解し切った。
ホントだぜ!ホントの話だっ!