過日、長女(二十歳)が私に、
「今日、私は丸の内に行きます。行きたい人はどうぞ。誰も行かなくても私一人で行くので気にしなくていいです」
と宣言した。
ん?丸ビルでも行くの?と聞いたら、そうだ、と言う。
長女は、大学で被服、その中でも繊維を勉強している。
先日もイッセイ・ミヤケのテレビ番組を録画して真剣に観ていた。
ふ~ん。
休日の昼前だ。
せっかく誘ってくれるんだから、行くか~
というわけで、丸ビル及びその周辺の洋服店を一通り回った。
長女は何も買わなかった。
気に入ったものがなければ買わない。
素晴らしい。
さて、また東京駅へ、と思ったところ、私の目に、あるビルの一階のイッセイ・ミヤケが映った。
「お~!この前テレビで観たイッセイ・ミヤケじゃん!?見なくていいのか?」
と聞くと、
「いいよ~見なくて」
との回答であった。
どうして?テレビ観て感心してたじゃない?
「あ~じゃあ、寄ってみる~」
というわけで、せっかく主義に則り、我々は店内に入った。
男性の店員さんが私に、女性の店員さんが長女に付いた。
無論、私には何かを購入する意志はなかった。
しかし、彼らにも彼らの仕事がある。
私は、彼らの仕事を円滑に進めるために、
「あの~、私、冷房が苦手なので、夏でも長袖のことが多いんだけど、そういう服ないですか?」
と聞いた。
そういう服を求めてイッセイ・ミヤケに来る必要は全くないのだが、それが私のニーズなので仕方ない。
すると男性の店員さんが、
「このカーディガンはいかがでしょう?」
と自分の仕事をしてきた。
私は再び彼の仕事を円滑にするために試着した。
しかし、カーディガン?
私が娘たちから、「似合わない」と言われているもののひとつである。
その他似合わないと言われているものは、ポロシャツと半ズボンだ。
その一品はポリエステル100%であった。
私は、長女が
「今やポリエステルは最強の素材って言われてるのだ」
と言っていた事を思い出した。
まるで、消える魔球は水に弱い!とでも言わんかのように。
ふ~ん。
しかし違和感あるな~
仕事で着たいので、ジャケットはないすか?
「こちらにございます」
と店員さんは再び自分の仕事をした。
私も再び彼の仕事を円滑にするために試着した。
すると、横から長女に付いていた筈の女性の店員さんが、
「あ~!凄くかっこいいです~!!」
と称賛の声を上げた。
「あのさ~お嬢さんはそれが仕事だから仕方ないけど、あまり大袈裟なのは良くないよ~」
と私は言った。
しかし、彼女は自分の仕事にあくまで忠実であった。
「でも、このジャケットがこんなに似合うお客様は初めてです~」
参ったな~
しかし、実は私は自分でも結構気に入っていた。
涼しそうなので。
しかも、洗濯機で選択可だ。ネットに入れれば普通のモードで。
手洗いの服はやめて欲しいよな、全く...
これもイッセイ・ミヤケとは一切関係ないが...
しかし、娘が買わないのに私が買うわけにはいかない。
あれ?娘はどこに?
「お嬢様はご試着中です~」
げっ!?いつの間に?
長女は、ワンピース、の様なもの、を二着試着していた。
両方とも魅力的な品だったが、ひとつはどうも自分ちの近くで着てたら浮くんじゃねえか?六本木ならいいけど、といった感じであった。
「う~ん。そうだよね~」
長女も同意していた。
「じゃあ、こっちにしようかな~」
うっ!?買うの?
う~む...
く~!
どうする?
しかし考えてみれば、成人式に特別の金品をあげてないしな...
しかし海外旅行の前には現金渡したぞ。
おまけに気前よく空港でスーツケースも買ったしさ...(過去の記事参照)
仕方ない。
私は購入することにした。
ジャケットとワンピース、の様なもの、両方を...!!
長女と一緒に服を買うことなど、これが最後かもしれんしな。
いやぁ~やっちゃった~
しかしこれは凄い。
快挙だ。
私は、ギブソン、フェンダーのみならず、イッセイ・ミヤケのオーナーとなったのだから...