少年・その11 | あんたは払うよ、権藤さん。の真意

あんたは払うよ、権藤さん。の真意

ご来場いただきまして誠にありがとうございます。「その1」などと付してある記事は続き物になっていますので、数字の若い順にご一読いただけると幸いです、としていたのですが、最近、数字入れ忘れてました。ごめんなさい。では、そろそろ開演です。Oh, yeah! Play it loud!

「錯覚?何を錯覚してるの?」


錯覚、妄想、勘違い、間違い、何でもいい。





「君は長男?お姉さんもいない?何歳だい?」私は聞いた。


「うん。いない。もうすぐ12歳」


なるほど、君は人間を12年やっているわけだ。


すると、君のお父さんが親をやっている時間も12年ということになる。


「?」少年は不思議そうな顔をした。





わからないかね?


君が人間をやっている時間とお父さんが親をやっている時間は、同じ12年だ、ということだよ。


つまり、親と子という立場で考えれば、お父さんと君は同い年なんだ。


お父さんが40だろうが50だろうが100歳だろうが、親をやっている年齢は君と同じ年齢なんだ。





君は12歳だから、わからないことだって、間違えることだっていっぱいあるだろう?


でも、お父さんも、親としては同じなんだ。12歳なんだから。


だから、親として、わからないことや間違えることがあるのも当たり前だろう?





「じゃあ、僕の妹は9歳なんだけど、お父さんは3歳分、妹より間違えないってこと?」


年数がそのまま当てはまるわけじゃない。


「何で?3年長く、親をやってるんだよ?」


君と妹は別の人間だからだ。


君にしたことが、そのまま妹に当てはまるとは限らないだろう?





「そっか...でも、大人なんだから、僕より沢山のことを知ってるでしょ?」


そりゃそうだ。でも、それはさ、君の知らない漢字が読めるとか、ここから東京駅まではどう行った方がいいとか、車の運転ができるとか、その程度のことだよ。


何万年生きていたとしても、親としての経験は君の年齢分しかないのさ。





<続く>