少年は続けた。
「勉強しろ、勉強しろ、ばっかりでさ...ロックン・ロールじゃないよね!?」
うん、まあ...しかし、君のお父さんの教育方針について、私がとやかく言うことはできないな...
「権藤さんも、勉強しろ、って言うの?」
いや、言わない。
勉強する理由を聞かれたことはあった。それには私なりの回答をした。
しかし、勉強しろ、と言ったことはない、と思う。
「何故言わないの?」
それは、私が、自分の父親から「勉強しろ!」って言われるのが嫌だったからだ。
君と同じだよ。気の毒だが、私が代わってあげることはできない。
勉強しろ、と言われれば言われるほどやらなかったね。
小学生の時は塾は行かなかったけど、中学生の時はしょっちゅう親に内緒で塾休んで、自転車で遠くまで行ったりしてたな。
今思えばひどい息子だよ。全部カネかかってるんだぜ...
でもさ、子供の時はそんなことわからないんだ。
当たり前だろ?親になったことがないんだから。
だから、君もそんなことわからなくて当然だし、わかる必要もないと思うよ。
『親の気持がわからないのか!?』とかってあるだろ?
わかるわけないよ。親になったことないんだもん。
「じゃあ、権藤さんは、自分の子供の気持はわかる?」
わからない、だろうな...
「なんで?子供だったことあるでしょ?」
それはもちろん。だけど、私は、私の子供になったことはないからね...
<続く>