「そっか、自分で決めて聴いたから、そうやって思い出になるんだね...」と少年はつぶやいた。
ん?君、いいこと言うじゃないか。
私は少年のつぶやきに乗じることにして、言った。
「そう、そう。そうだよ~。人から教えられたままに聴いた、なんて、思い出にはならないだろう?それに、それが思い出、なんてつまらないじゃないか」
「...だね!僕、自分でCD選んで聴いてみるよ!」
それがいい。
ストーンズから選ぶのと比べれば簡単なことだよ。枚数が違うもん。数えたことないけどさ...
キンクスも辛いな...あ、フーも同じか...まあ、そんなことどうでもいいが...
少年との会話は楽しいものだったが、やはり私には釈然としないものが残っていた。
この少年はビートルズのことを質問するために、楽器屋を覗いて私を探していたのか?
「勉強しろ、勉強しろってうるさいんだよな、お父さん...」
少年は唐突に言った。
<続く>