従弟が一人減った
東所沢の改札口の先に、
赤い壁が見えた。
私の目が悪いせいでそう見えただけだった。
真っ赤な夕焼けだった。
時間と共にグラデイションが灰色の空に溶け込んでいって、
雲のない空でしか見られない光景だった。
そう言えば、西の空からの日差しがとても眩しかった。
建物の中にいても、眼を射るような光の束に目がくらんだ。
それ程いい天気だったということだ。
駅伝などのスポーツを追いたい日ではあったが、
先月末に亡くなった従弟の葬儀があった。
今時の家族葬のような体裁ではあったが、
近所の方3人が参列されていた。
本当に狭義の家族葬だったら、
参列者は二人だったろう。
従弟らの親族がいたので、
少しだけ増えた。
そんな葬儀でも、一代前迄檀家総代の家柄なので、
きちんとした告別式になった。
あまり数えたこともないが、
従兄弟は何人いるのだろうか。
親と同じ年代の従兄もいたから、
何人も他界しているが、
年下の従弟妹は5,6人になった。
年下と言っても皆70歳を過ぎているから、
いつお呼びがかかっても不思議はない。