中学生の職場体験と作業療法
毎年、近隣の中学校に通う生徒さんが職場体験にやってきます!
生徒さんには、デイケアに通う高齢者さんと交流をしていただいています。
ですが、
スタッフに「お話してみて」と促され、困り果てる生徒達。
話が続かず、あっちを向いてしまう生徒も。
初対面の人と話をするのは緊張しますよね。
それに、普段お年寄りと関わる機会がなければなおさらですよね。
一対一で話すのはしんどいです。
でも、二人が同じ活動を介することで自然と交流が生まれることがあります。
例えば「編み物」という活動を通して、お年寄りが生徒に編み方を教えてあげる関係を作ることで、自然と交流が生まれます。
このように「活動」を介して人と関わるというのは意味深いものがあります。
小さい子供達は、知らない子同士でも「おにごっこ」などの遊びを通した活動ですぐに仲良くなりますよね。
今回の職場体験では、「編み物」の他にも「体操」「輪投げ」「お手玉」「歌唱」「たこ焼き作り」・・・さまざまな活動を通して関わっていただきました。
活動を介して関わると、こわばっていた表情も和らぎ笑顔が出ます。
そして、あちこちで笑い声が聞こえてきます。
このように、「活動」を通して人との交流を創り出す。
これも作業療法のアプローチのひとつ。
「作業療法」・・・あまり聞きなれないかもしれません。
実は、「作業療法」でいうところの「作業」とは一般的に使われている「作業」という言葉の意味合いと少し異なります。
「作業療法」でいう、「作業」とは
その人にとって、「意味のある活動」 「価値のある活動」をさします。
仕事をする、お風呂に入る、旅行に行く、勉強する・・・。
人それぞれ、いろんな「作業」を持っています。
その「作業」が、病気や体が不自由になったことで出来なくなったり、難しくなった方に対し、「作業」が出来るように支援したり、続けられるよう支援するのが作業療法です。
なので「作業」が持つ力にも着目しています。
「作業」が持つ力を用いて、心や体を元気にしていきたい。
作業療法士は、きっとそう思っていることでしょう。
と、自分は勝手に思い込んでいます。
「作業療法士」は医療や福祉の分野で、何をする専門職なのかよく知られていない謎の存在です(笑)。
「作業」を支援するためにいろんなことをするので、結果として「何をする人なのかわからない」となるのだと思います。
でも、「いろんなことをする」人がいることでチームアプローチの質が向上します。
三人寄れば文殊の知恵。
作業療法士、なかなかおもしろい国家資格です。
ところで、今回来てくれた中学生の中に、「作業療法士」という言葉を聞いたことがある生徒がいたので、びっくりするとともにとてもうれしかったです。
これからも作業療法士として社会に貢献していきます!