こんにちは!棟田です。

 

家にいても外にいても、朝でも夜でも、あちこちから楽しそうなお子さんの声が聞こえてきて、

あぁ、大型連休なんだなぁと痛感しますルンルン

全国の丸亀製麺も大混雑していることでしょう(いつもフードコートで混んでて諦める)。

 

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(春の木漏れ日が美しい)

やはりゴールデンウィークにまでなるとだいぶ暖かくなりますね晴れ

日差しのあるところでは汗ばむことも増えていると思います。

 

 

7月にオープンする当院では、多汗症の治療も注力しています。

 

 

今年は特に多汗症がアツい!!

今度の5/23に新しい多汗症の治療薬が発売になります。

現時点で保険の適応のある外用薬は、ワキの多汗にのみ、1種類だけでしたが、

これに新しいワイプ型のものが加わります(今回も保険適応はワキのみです)!

 

 

毎年6月に4日間、皮膚科学会総会が行われます。

総会というのは、日本中の皮膚科医を目指す人と、皮膚科専門医が集まって珍しい疾患について議論したり、知識をアップデートするところ。

皮膚にまつわるありとあらゆる疾患について、同時に13の会場で講義や発表が行われます。数千人の皮膚科医が会場でひしめき合い、あっちの会場、こっちの会場へと行き来しながら、勉強します。

 

今年は6月2日から5日の4日間、京都で行われ、最近はWebと現地のハイブリット開催なので、以前より参加者は増えていると思います。

そんな学会でも、今年はメインである土日の両日に大きな項目として「汗」に関する講義が準備されていて、これは今までにはあまり見られなかったことです。

アトピー、膠原病、腫瘍、アレルギー、遺伝性疾患などなど書ききれないほど多くのことを勉強しなければいけない中で、「汗」という疾患の重要性が皮膚科医の中でも見なおされているのだと思います。

 

ニキビも新薬が発売されるたび、多くの勉強会が準備されました。そして、私が医者になったばかりのころに比べて、圧倒的に「ニキビができたら皮膚科へ行く」という認識が世間にも広まったと思います。

 

なので、同じように、「汗で困ったら、皮膚科に相談する」という常識ができてくるのではないでしょうか。

 

↓前回の多汗症についての記事

 

 

多汗症はまず以下の4段階に分けられます。

①発汗は全く気にならず,日常生活に全く支障がない. 
②発汗は我慢できるが,日常生活に時々支障がある.
③発汗はほとんど我慢できず,日常生活に頻繁に支障がある.
 ④発汗は我慢できず,日常生活に常に支障がある

③、④からが重症とされ、治療対象になります。

 

治療法には以下のようなものがあります。

①外用薬

現在保険が通っているものはエクロック、新しくラピフォートというワイプタイプが発売になります。ともにワキ汗にしか保険が通っていない点は残念なことです。

もともと塩化アルミニウム外用液というものが、保険は通っていませんが、院内製剤として手に入ります。最近はネットでも比較的安価に手に入ります。すべての場所の多汗症に使えます。

塩化アルミニウムは汗の穴を閉じることで、汗が出にくくなるのですが、かぶれを起こしやすい点が難点です。クリームタイプで手足に使うこともできます。

 

②内服薬

プロバンサインという内服薬が効果がある場合があります。このお薬は全身の汗が多い方によく使われます。しかし、眠くなったり、口や目が乾いたりという副作用があります。

逆に汗をかかなくなって熱がこもりやすくなるので、熱中症にも注意が必要です。

他に漢方薬なども使われることがあります。これは年齢や性別、付随症状などによってかわってきます。

 

③イオントフォレーシス

手足の多汗症に有効な治療です。多汗症のある部位を水につけて微弱な電流を流します。

即効性のある治療ではありませんが、定期的に通院していただける方であれば、大きな副作用なく、汗の量を抑えられます。有効な方は自宅にこの機械をかって、家で行うということも可能です。

 

④ボトックスの注射

重症なワキの多汗症には保険適応があります。ただし、上記の治療が無効もしくは使えない方のみという条件があります。保険は通っていませんが、手足やお顔など、他の部位にも可能な治療法です。ただし、手足は注射時の痛みが、麻酔を併用してもかなりつらいこと、力が入りにくくなることなどの副作用があります。お顔ではシワやテクスチャーもキレイになるので良い治療ですが、3-4か月で効果がきれてしまうため繰り返し治療を行う必要があること、またワキ以外は保険が効かないので高額になってしまいます。

 

⑤交感神経遮断術

これは手と顔については有効性が認められています。しかし、代償性発汗といって、他の場所に汗をかくようになる副作用が高率にみられていることから、本当に本人が納得してやる、という必要があります。手術なのでもとに戻すことができないからです。私は自分でこの手術をすることができませんので、これについてはあまり詳細に述べることができません。

 

⑥ミラドライ

ワキ汗、ワキガの治療法です。手術ではなく、マイクロ波で汗をつくる部分を焼いて、半永久的に効果を出す、という機械になります。保険が効かないため、治療が高額になること、1回で8割程度の方が有効とされていますが、2回以上治療する必要がある方も一部いらっしゃいます。

 

当院では①~④が行えます。

汗で悩んでいる場所、程度、予算、ライフスタイルなどにより、治療法の選択も変わってきます。

お悩みの方は一度皮膚科でご相談ください。

 

 

 

疾患について書くとどうしても難しく、長くなってしまいますね。

興味のない方には失礼いたしました。

最後までお読みいただきありがとうございます!!

 

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(公園のゴリラに一生懸命挨拶をする次男笑

 

開業まであと2か月!!引き続きよろしくお願い致します飛び出すハート