こんにちは。棟田です。
銀座線外苑前駅から徒歩1分の所に皮膚科、小児皮膚科、美容皮膚科を開業予定ですが、現在準備段階で、自分の理想のクリニックはどんなものか?と考える機会が増えました。
開業にむけての本など何冊かを読んでみたところ、
どの本にも 「理念を考えて、スタッフと共有しましょう」 と書かれています。
うーん。理念。
「座右の銘」などもそうですが、改めて考えると難しいものです。
いつも頭の片隅で「理念・・・りねん・・・リネン?」と念仏を唱えるように考えていたところ、
意外なところで、パッと光明が差し込みました。
それはEテレで3歳の長男が大好きな「おさるのジョージ」をみていた時です。
朝起きたら歯が痛かったジョージは、黄色い帽子のおじさんと歯医者さんに行きます。(おじさんが作ったズッキーニマフィンを持って)
そこで到着を待っていた歯医者さんがこう言います。
「よく来てくれたわね、ジョージ。もう大丈夫よ」
そうそう!コレコレ!!と思いました。
「理念」とは少し違いますが、私は来て下さる患者さんにこう言えるようなクリニックにしたい!
しつこくて申し訳ないですが、もう少し詳しくお話させてください。
まず前半の「よく来てくれたわね」の部分。
私自身も甲状腺の病気や不妊、出産、子供の病気などで30を超えてから病院を受診する機会が増えました。
医師として病院の診察室で患者さんを待っているだけの時には気が付きませんでしたが、
病院に行く、ということはそもそも面倒くさい。そして、行きたくない。
行かなきゃいけないから、頑張って自分を奮い立たせて通院するわけですが、
心の中では子供の時と変わらず、「びょういん やだー」という気持ちが見え隠れしています。
新しい病院に行くときなどは尚更です。
変な先生だったらどうしよう、こんなことで行っていいのかな、なんて説明しよう、なんの病気なんだろう、ちゃんと治るのかな、と不安要素がてんこ盛り、
むしろ不安しかありません。
そこで怖い先生や感じ悪いスタッフの方などがいたら、聞きたいことも聞けず、なんの病気かもはっきりわからず、なんとなく出された薬を使ってみよう、などということが大いにあり得るわけです。
何かがいつもと違っていたら不安になるのは当たり前です。
「こんなことで病院に来るな」などという医療従事者がいたら、その人は忙しすぎて心がすさんでいるのだと思います。
まずは、病院までたどり着いてくれたこと自体が称賛に価します。
「よく来てくれたわね、ジョージ」
この押しつけがましくもなく、怖くもなく、端的な愛のあるセリフ。そうそう、コレコレ!!
そして、「もう大丈夫よ」。
まだ診てもなく、なんで来たのかもわからず、診断も治療法も何も決まっていません。
でも、大丈夫。私がなんとかしてあげる。
安心して。
という自分の技量にも自信があるからこそ言えるセリフだと思います。
病院にいらっしゃる方には
「なぜ、こうなったのか知りたい」という方もいますし、
「原因はともかく、とにかく早く治してほしい」という方もいます。
「これが普通なのか教えてほしい」という方もいます。
同じ病気でも、患者さんのニーズが違えば、その方への対応も違ってくるわけです。
詳しく検査を色々してみるもよし、
早く治る方法を模索するもよし。
開業のクリニックでは対応しきれない病気だとしても、
「うちでは診られません」
というのではなく、その方が次にすべき一手を必ずご提案して、
その方の不安、疑問を取り除けるよう最善を尽くします。
特に小さいお子さんがいると、病院内で静かにできるか、どれくらいで終わるかなどの予想できないストレスが倍増します。
キッズウェルカムなクリニックというのも目指したい理念の一つです。
老若男女すべての方に安心していただけるように。
日々精進していきます。
私の皮膚科をよろしくお願いいたします。
なんか写真を載せた方が良いかな、、と思ったのですが、全然映える写真がないため、
なんとなく外苑前にちなんで絵画館の写真を。。中に入れることすら知りませんでした。。