サービス | 渡瀬悠宇 OFFICIAL BLOG
月曜日「凛花」発売しました~この表紙が目印です(線画)

日月の聲(こえ)-2011021623560000.jpg
ご感想等はお手紙の他にflowersHPにも書き込めますです(サンデーは編集部違いますよ~)
…これでコミックス10巻分がたまりました(^_^)v
春以降に発売します…コミックス派の方々からも「いつですか?」とお手紙頂いてまして…あと少しです!

あ…さっき気付いたが、今回玄武とアラカンが同時期にアイテムとか微妙に被った(笑)
それぞれ全く別時期に仕込んでいたのが偶然。むしろ作業中は互いの内容忘れてる故(笑)
よく聞かれますが、作品は脳内で分かれてるため世界が混ざることが無い。
アラカンに出てるキャラはふし遊では絶対浮かばないし、その逆も然り。
不思議なもので…『同じ人間』が描いてるから、と一般的には考えるんですけどね。こういうことは大変説明しづらいんですが。

ついで、アシさんにも話したけど、常々苦笑するのが→『描いた』=『だから好きなんでしょ』解釈(^_^;)
櫻狩り「芽」の解説にもありましたが、私は自分の趣味趣向で作品は描かない。
編集さんが言ってたけど、「一般に『好きなものを描け』と言ったら『メガネ』だなんだ属性描いてくる。こっちが言ってるのは『心』の部分だ」…まったくその通り(-"-;A
例えばアラカン8巻で女装描いた、「ふし遊」でも女装やったから私が好きなのか、と言えばまったく違う。f^_^;

『読者サービス』は新人時代に嫌というほど叩き込まれることです。

それを、唐突でなく、うまく話の流れに組み込んで、どう見せて行くか、どうサービスシーンを加えていくかが、プロの仕事です。みんなそうやって計算して描いてるわけです。φ(.. )
『読者サービス』に個人的な『好き』も『嫌い』もないんだが(笑)
ナタリーさんの取材の方が「サービス精神がすごいんだな、と思ってました」と言われた時に、ああ、良く分かってらっしゃるなあ~と。

…改めて考えたら、漫画自体に『好き』『嫌い』の感情は無い、とここ数カ月で自覚しましたσ(^_^;)

私にとって『漫画を描く』=『食事する』『空気吸う』と同レベルなんで、今更感情論で語るものでもないんだな。
生きてる上で『普通』のことです。まあ5歳から漫画描いてりゃなあ(笑

だもんで、逆に『ハイ仕事ですから編集の言うとおりに描いて』も、『空気吸うのになんで苦しまなきゃいけないわけ?』という気分にさせられると、正直にやる気無くすんで、割り切るには大変やりづらい。

職人気質なので、『あ、今これはやってるの?じゃあ描く』も無理。反骨精神旺盛なんで(笑)
『萌え』に至っては何もないし理解不能(てか苦手)読者さんが自由に「萌え」て下さればいいことではないかな。

…そういう意味では、私がサービスしたつもりでも、読者さんにはそうじゃないかもしれない。(゚Ω゚;)
王道のサービスはぬかりなくやってるつもりですが(笑)自分、不器用な正直者でな。

因みに、「編集の言うとおりに…」はそこはそれ、お仕事ですから、プロですから。
要望には出来る限り応える努力はします。『描きたくなくても描かなきゃいけない』『描きたいけど描けない』なんてザラ。そこをどう折り合いをつけていくか、どうやりたいことに組み込んでいくか。
「編集に応えて描いた」のが、失敗しても「作家の責任」にされるけどな(笑)

そういや「アラカン」今回のアカチ編、先週原稿分(15号)もしかしたら連載始めて一番楽しかったかもしれない(*^▽^*)
「なう」でも仕事場おバカ会話(笑)が少なかったのは、展開見てアカチとカンナギの関係をシリアスに議論してたからで、もはや誰もギャグネタにしなくなってしまった(^▽^;)
因みに計算したらチビナギはもう再来週にはお目見えかな。
まあ、楽しかったのはそういうとこじゃなく、関係性の切なさの部分ですが。ああいうのが私の真骨頂だと自分で思います。
今回の玄武もそういう意味で楽しかったです。
作者が一番乗って描くものが、読者さんに伝わるのが最大のサービスではないかと思うんだな…