かいちゅう | One On One

One On One

漢検一級の勉強。過去問題を取り上げています。
指定ないものは1級問題。
日々の出来事などについてはその都度削除。

28-① 且つ才能を恃む者は、必ず旧法を以てウセツとなし、動もすればこれを更改せんと欲す。凡そ政はその旧に因るに在り。夫カイチュウの習いは鉄の如く、衣纓の習いは金の如し。

 

賴山陽「日本外史」

巻二十二・徳川氏正記・徳川氏五・家康近臣を諭す

 

迂拙

介冑

 

【訳】また才能を頼みにする者は、必ず旧法をまわりくどく世情にあわないと考え、とにかくこれを変えようとする。(武田・上杉・今川・大内氏の衰亡した原因はすべてこれが原因である。)総じて政治は旧法にもとづくものである。(略)武家の習いは鉄のようなもので、公卿の習いは金のようなものだ。(金は虚飾で、鉄は実用である。国家が衰えようとするときには必ず公卿の習いを喜ぶ者がいる。新法を作って外見を飾ろうとするがこれは内部から大きな弊害を作り出しているようなものだ。我が徳川家は皆、祖父、父、年配者、経験を積んだ年寄りと会議して深く考え、慮って、弊害がないように決めていく。)

 

具体例をほとんど削除して意味を分かりにくくした文章題。出題者がそうまでしてこの文章にしたかったのは、時流の憲法改正論のためだろうと思うがさて。