残される者たちへ | お前の罪を数えろ!!

お前の罪を数えろ!!

平凡な日常を綴ります。

ごきげんよう、ワタルです。

今日も最近読んだ本の紹介をしたいと思います。
ブログを書きたいけど、話のネタが無いそういうときに本の紹介をしようと決めました。
はーい、もう決定!!

そして、今回紹介する本は前回紹介した作品に続き、小路幸也の「残される者たちへ」です。
前回紹介した「僕は長い昼と長い夜を過ごす。」で、一気に小路幸也が紡ぐ物語の世界にハマッてしまい、
最近マイブームです。

本作品は高度成長期に次々と建てられた団地が舞台となっています。
当時、最先端のデザインや機能を備えていたその場所に住むのは憧れであった。
多くの人が住み、子供たちの歓声にあふれ、併設される学校はマンモス校となった。
しかし、時が過ぎ、今の団地からは子供の声や姿は殆ど見られない。
世代交代がすすみ、若者が出て行き、少数の老人がそのまま住み続ける。
施設も古ぼけて、やや廃墟となりつつある団地。。。
俺は団地生活をしたことがないのですが、どこか懐かしい景色が広がっていました。

ファーストシーンは、団地にあった小学校の同窓会。
あるはずの記憶がないジュンチ。
序盤は、魅力的な登場人物が次々と登場し、ミステリー色もあって、一気に引き込まれました。
SF、ミステリー、ホラーの要素があり、他の人のレビューでは「どっちつかず」という意見もありましたが、俺はこの作品の魅力はその「どっちつかず」にあると考えています。

後半は一気に物語が展開していくのですが、 その疾走感のある展開にもう釘付けになってしまい、
一気に読み終えてしまいました。
舞台設定は誰もがイメージできる懐かしい風景、しかし、物語自体はSF、ミステリー、ホラーの要素がありとてもファジーです。

本の帯に書いてある「読み終えた後で、この本のタイトルを振り返ったときに鳥肌が立った。」という文章に偽りはありません。
ぜひ手に取って見てください。