新宿駅西口、小田急百貨店CHANELの前の柱。
そこには、ボール紙に「詩集300円」と手書きで書かれた看板をビニール紐で首からさげた、か細い中年女性が1人、何を見るでもなく、ただひたすらじーっと立っている姿を度々見かける。
彼女を初めて見かけたのはもう何年も前のこと。
やっぱり東京には不思議な人種がいるもんだ、と感慨に耽ったものだ。
そして数年前、立ち続ける彼女の不思議さに翻弄されて、初めてその詩集を買い求めた。
普段なら絶対に無理だが、その夜はきっと酔っ払っていたのだろう。
300円のお手製のその詩集は、手書きでコピー20頁足らずの薄いものだ。
そして、詩集を買って、「?」と思う。
「詩集」ではなく「志集」なのだ。
表紙をめくるとお決まりの文句が書いてある。
「詩は志であらねばならない」
そそる。
そんな志集、半年くらいずつ出版しているそうで、今宵手に入れたものは昨年12月に刊行されたもので第四十四号。
題名は「不合理」。
因みにこの志集は夫婦で刊行しており、夫は八十五才、妻は四十八才。
噂では、夫は既に他界しているとかいないとか…。
ご興味ある方は一度訪れてみてはいかがか。
運がよければ彼女と遭遇できるだろう。
志の内容は…。
昭和のにほいが漂う、僕の好きな世界ではある。
なぜ唐突に彼女のことを記事にしたか。
グランテールという男を考えるにつけ、色々な考え方や思想に触れたくなる今日この頃なのである。
自立とは難しい。
自立せずに生きていけるならばどんなに気楽だろうか。
ロマンと哲学と酒と女。
グランテールは、ある意味、男の理想的な生き方をした奴なのかもしれない。
そんなこんなのアングラ会の帰路。
まだまだ考えなければならないことは山のようだ。
とりあえず風呂入って寝るとするか。
明日も頑張ってジムに行こう。
