刀剣乱舞、ただのミーハー、仙台へ | 渡辺やよいの楽園

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小説家であり漫画家の渡辺やよい。
小説とエッセイを書き、レディコミを描き、母であり、妻であり、社長でもある大忙しの著者の日常を描いた身辺雑記をお楽しみください。

 夏休みの終盤、忙しい合間をやりくりして、日帰り仙台旅行敢行!
 初めての東北新幹線。朝いちのに飛び乗り、一路仙台へ、ではなくそのちょい先の古川へ。新幹線、早い!すげー、日本狭くなりましたー。
 で、YOUはなにしに古川へ?
 お目当ては、中鉢美術館という、個人でやっている刀剣美術館である。
 はい、もうおわかりの腐女子もおられようが、乙女系ゲーム「刀剣乱舞」巡礼である。



 東京にも刀剣博物館や国立博物館などに刀剣があるが、それはいつでも行けるから、まずはこちらから。
 1時間に1本しかないローカル線乗って、ひなびた駅の近くにある中鉢美術館へ。

 



 この時期、若い女子ばかり何組か駅に降り、全員審神者であると明白。うら若き乙女たちに混じるのは少し恥ずかしいおばさんであるが、年季の入ったミーハー魂は負けてはおりません。
 和泉守兼定、大和守安定、陸奥守吉行、長宗我虎徹、青江、長谷部、村正等々
 美青年になった元の刀剣を見て回る。
 しかし、陳列されている刀剣で、いちばん心引かれたのは月山。綾杉肌という複雑な文様があまりに美しく、魅入られてしまう。
 娘は舞草刀という反りの美しい凜とした刀剣に惹かれたという。
 午前中はここで過ごし、昼に仙台に戻り、牛タンに舌鼓をうち、せめてもと、伊達政宗のお墓参りをして、夕方には東京へ戻る。帰宅したら速攻で犬の散歩に出て夕飯の支度。
 いやはや強行軍である。
 でも、こんな機会でもなければ仙台にはいかないし、刀剣だけを鑑賞したりもしないだろう。

 ミーハーでけっこう。なにかにハマり、夢中になる楽しさ。それは韓流スターでもゲームキャラでもなんでもよいと思う。ミーハーはものすごいパワーを生む。異様な熱気とフットワークの軽さを生む。世界が別のベクトルに広がる。
 その昔、ビートルズにハマっていた二十代。ジョンレノンが暗殺されたとき、悲しみのあまりニューヨークまで行ってジョンの殺されたダコタハウスの前で黙祷してきた私である。 ミーハー魂未だ健在。
 来年の今頃には刀剣乱舞などすっかり飽きてるかもしれないが、刀の美しさを知った経験値は残る。
 瞬間風速でハマったもの、今もずっとハマっているものいろいろあるけれど、ミーハーって楽しいね。