クリスマス、大晦日、正月、関係なしで、イグアナ | 渡辺やよいの楽園

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小説家であり漫画家の渡辺やよい。
小説とエッセイを書き、レディコミを描き、母であり、妻であり、社長でもある大忙しの著者の日常を描いた身辺雑記をお楽しみください。

メリークリスマス!
 ですかー!
 クリスマスだってのに、夕方までにゲラ直しの引き渡しがあって、それどころじゃないよーっ
 つーか、大晦日、正月関係なく、通常営業ですからー。

 


 イグアナは、猫くらいの知能がある。とさんざん聞いてきた。人の顏を覚えるし、自分の名前もわかるそうだ。だが警戒心が強いので、人に慣れるのは相当年数がかかるとも。
 我が家に来て1年になるイグアナ。
 今まではもうただ温室にいるだけ、という存在だった。私もそれほど熱心に世話をしないでいたし、慣らそうとする時間もないのでほっといた。まあ一日部屋で仕事しているので、顏は合わせているのが。互いに無視し合って生きてきたというか。
 だが、最近、イグアナ、自分で温室のドアを開けることを学び、私の部屋を闊歩するようになった。
 最初に部屋の中をわしわし歩いているのを見たときは驚いたが、本人は悠然と部屋を散策している。一度つかまえて温室にもどしたが、もうドアの開け方を覚えてしまい、また出てくる。凶暴に襲ってくる生き物でもないので、忙しいのでもうほっておいた。
 二日ほど散策すると、部屋の作りを覚えたらしく、今は時間になるとかってに温室を開けて、日当りのいい窓際で日なが一日ひなたぼっこしている。
 そして、寒くなると勝手に自分の温室に戻っている。
 私は一日仕事をしているので、あんまり奴にかまわないので、ちょうどいい関係性みたいだ。仕事に夢中になっていると、いつのまにか膝の上を横断していったりする。トレイに行っているうちにキーボードの上を歩き、イグアナ語で小説を書いていったりする。
 爬虫類は、犬猫と違いなついたり媚を売ったりする生き物ではない。こちらがかまってやる生き物でもない。
 ただ、そこに悠然と居る、というのを楽しむのである。
 でも一歩お互いの関係性が近づいた感じで、それが嬉しい。




 んで最近はもう温室にも戻らず、一番温かそうなエアコンの前に陣取り、日当りがよくなると、南の窓際で日光浴している。



 なんか私の部屋の主のような雰囲気。
  爬虫類は鳴かないし毛は抜けないしそこらを噛んだり引っ掻いたりもしないし、(脱皮はするが)仕事場にはいい生き物だ。 私はもくもくとキーボードを叩き、イグアナは悠然と窓の外を見ている。
 まあ犬猫と違って爬虫類は万人受けする生き物とは言いがたいが。
 我が家は一階は犬猫エリア、二階は爬虫類両生類エリアである。
 うちはプチ動物園か。

 ところでイグアナに名前はつけてなくて、結局めんどうなので、イグー、と呼んでいる。