宇宙で私を救えるのは私だけ(「セクシーボイスアンドロボ」) | 渡辺やよいの楽園

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小説家であり漫画家の渡辺やよい。
小説とエッセイを書き、レディコミを描き、母であり、妻であり、社長でもある大忙しの著者の日常を描いた身辺雑記をお楽しみください。

3匹

 暑くなると、猫たちもぐだぐだ。

 今期のドラマは「セクシーボイスアンドロボ」にはまっていた。
 期待の若手松山ケンイチ君と大後寿々花ちゃんの絶妙な演技と、日常生活をちょっとずれて描くのがうまい木皿泉さんの脚本。視聴率はいまいちということだったが、逆に私だけが知っている大穴ドラマ、って感じでこれを知らない人の方が気の毒さっ、てな気分で。
 昨日が最終回で。別に最終回だからという盛り上がりもなく、また来週も続くよみたいな感じで収束するところもにくい。でも、長い夢から醒めたみたいな哀しい気持ち。良い小説は、早く終わりまで読みたいけれど、でも終わって欲しくない。そういう気持ち。
 「ロンググッド・バイ」を読んでいる。すでに私の人生で何度も繰り返し読んでいる小説で、結末を知っていても、何度読んでもラストは胸が痛む。
 「長いお別れ」というタイトルで、高校生の時、これを読んで 「大人になったら絶対ギムレット飲むぞ」と、思ったものだ。で、二十歳過ぎて飲んでみたら、以外ときついカクテルでくらくらしたもんだ。
「さよならを言うのは少しの間死ぬことだ」みたいなせりふがかっこよかった。
 「セクシーボイスアンドロボ」にも、心に残るせりふがいくつもあった。
 ロボのお母さんがオタクの息子に「死ななきゃいい、一生ロボットいじってろ」と、言い放つ気持ちは、お母さんになった人にはみんなに響く言葉。
「私たちはどうしようもなくこの世界にかかわっている」
「ずっとなんて幸せこの世にはない。私は、時々、幸せ」
 そうなんだよなぁ、と、あらためてうなずかせるようなせりふが満載で、涙もろい私は、もう、うるうるしながら  毎週ドラマを楽しんでいた。
今期はあとは、 「帰ってきた時効警察」が、ぶっとびかたが素晴らしくてサイコーだった。
 次は「探偵学園Q」、すっかり大人っぽくなった神木君だぁ!あと「トリック」のスタッフが制作する「スシ王子」ね。
 大河ドラマ「風林火山」も、大好きな内野聖陽さんが主演で一年楽しめてうれしい。
って、意外に?ドラマ好きなんです。