せいぜい4割でもましだ | 渡辺やよいの楽園

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小説家であり漫画家の渡辺やよい。
小説とエッセイを書き、レディコミを描き、母であり、妻であり、社長でもある大忙しの著者の日常を描いた身辺雑記をお楽しみください。

とら
  君に伝えてあるように 僕は僕をきわめたいと
 切に願い 動いては 時に無理して生きるのです
 死んじゃいけない かなえる夢は
 4割ぐらいで よしとして
 コーヒーやビールやら おいしく飲むにはさ
 喜びや悲しみやら ちゃんと知らなきゃなのさ

 ふな虫というミュージシャンの「虫の唄」という歌らしいのだが、なかなか響く言葉だ。
 50代も目の前になり、がつがつしていた30代までが夢のよう。
 まあ、30代くらいまでは心身ともに充実しているしがつがつも必要だろう。でも、そこを過ぎると、欲望の切りのなさと自分の分みたいなもののバランスに気がついてくる。
 気がついてよかった。
 いまでも30代の勢いで生きていたら、3年前の大腸ガンが、気付かないまま末期になっていて、確実に今、生きてないだろう。

 だから最近、いろいろな欲望がかなわずいらいらするときは、
「4割くらいでよしとする」と、自分に言い聞かす。