来年ね | 渡辺やよいの楽園

渡辺やよいの楽園

小説家であり漫画家の渡辺やよい。
小説とエッセイを書き、レディコミを描き、母であり、妻であり、社長でもある大忙しの著者の日常を描いた身辺雑記をお楽しみください。

ああ、雛祭りだっていうのに我が家のお雛様は無惨なことに。
お内裏様の首ちょんぱっ

このお雛様は、私の父方の和裁をしていた祖母が作ってくれたものだ。もうかれこれ40年も前、世界でただひとつだけのオリジナルなお雛様だった。
それを娘のためにもらい受けて我が家に飾っていたのだが、ある日、息子とその悪ガキどもが我が家でかくれんぼをして、納戸に忍び込んだ誰かが、しまっておいたお雛様の箱を踏んづけてしまったのだ。
そしてこんなことに……
見つけたときは泣けてしまった。あまりに無残。子供のしたこととて、怒っても後の祭り。誰が壊したかも不明。

しかし、世の中には日本人形を修理してくれるところがあるのだ。
もっかお雛様たちは修理とメンテナンスに、日本人形制作者のところに行っている。
3ヶ月から半年かかるという。
来年、きれいに復活させて、飾ってあげたい。

だから、今年はうちはお雛様がない。