こんにちは、千葉県市川市の社会保険労務士 渡辺 巖(いわお)です。
先日、本屋で「日本人の給料」(宝島社新書)という本を見つけました。最近よく言われている、20年以上減少し続けている日本人の年収のことが書かれています。
25か国中、1997年は14位だった年収が、2020年は22位。日本の次は、スペイン、イタリア、ポーランドですから韓国にも抜かれました。
日本人の年収が上がっていかない要因はいろいろあるのですが、なんとなくそうかなと思ったのは、いわゆる年功序列・終身雇用。まだ多くの会社が多かれ少なかれ、この制度を引きずっています。年齢が上の人には給料が多く支払われますから、会社の業績が下がれば、そのしわ寄せは若い人にいく、つまりは給料が上がらないということにつながっていきます。若い人の方が働くのに給与が安く、年齢が上の人はその逆で。まさに労働生産性の問題でもあります。
日本経済の停滞、よく言われているように、国民も企業も先が見えないため、お金を貯めて使わない。だから経済が回らないんですね。銀行もお金が動かないために利ザヤを稼げなくなり、存在自体が危うくなってきています。国民も企業も守りの姿勢で、挑戦はしない。挑戦しないということは、当分はそのままの状態でいることはできるかもしれませんが、先細りといいましょうか、やがては下がっていきます。そういう国にいるんですね、確かに給料が上がるわけがありません。これを突破するには国の方向性を決める政治の力が必要だと思いますが、果たしてどうなることか。この国の先行きは相当怪しいと思いました。