安倍晋三元首相が亡くなられた。大変なショックを受けた。心からご冥福をお祈りしたい。次週、安倍元首相との思い出や参院選の総括を述べたい。

直近コロナの感染者が急増している。ニッポン放送の番組で、ドイツ・ボッフム大学永代教授の南和友医師と対談した。第7波は来るとした上で、急増の原因として「ワクチンを1~2回接種をした人は80%だが、3回目は60%、4回目はほとんどいない。ワクチンで、中和抗体ができても、3~4カ月で減ってくる」と、抗体の重要性を指摘していた。

一方で、「(感染者の)数字を追っていくとキリがない。重症者がほとんどいないというのが『現実の数』だ。かぜのように社会活動の制限はすべきでない」という。政府の専門家はいつも諸外国より慎重姿勢をとるが、南医師のような意見がもはや世界のスタンダードだ。抗体に重点を置いた政策を政府は打つべきだ。

感染拡大の中でも、選挙演説では散々人を集めていた。第7波でも、飲食店に規制をかけるべきではない。飲食店はやっと客足が戻ってきたところだ。それでも7割程度だ。物価高も直撃している。ここで対応を間違えると、飲食店の倒産や、廃業に拍車をかけるだろう。

これまで、小池百合子都知事などは、感染が拡大すると「会食は4人まで」など、中途半端なメッセージを出してきた。効果もエビデンスも不透明なのに、その発言で客足はガクンと下がる。大企業や官公庁は会食を一気に控える。

消費者も「罪悪感」を覚える。「実質の規制」であり、規制をかけるなら、しっかりと補償を出すべきだ。「県民割」など経済活動を回す政策を実施しながら、行動制限をかけるような、アクセルとブレーキを同時に実施するのも愚策だ。

そうしたなか、ワタミの「から揚げの天才」では新企画を開始した。韓国ドラマ「梨泰院(イテウォン)クラス」の日本版で、7日放送を開始したテレビ朝日系ドラマ「六本木クラス」とコラボレーションする。私も大好きなドラマだ。

若い居酒屋経営者が巨大外食企業に挑戦していくストーリーで、自分の半生にも重なる。「信念」「気合い」「度胸」で、若者が腹に力を入れて、相手を打ち負かすところが見どころだ。

居酒屋が舞台で、ドラマに登場するから揚げを忠実に再現して「から揚げの天才」で販売する。第1弾は巨大外食企業側、「長屋ホールディングス」の出発点で、看板メニューの「しょうが味噌から揚げ」だ。このあと第2弾、第3弾とコラボから揚げを発売する。

ドラマでは、大企業にとっても「陥ってはいけないこと」が表現されている。いくら大きくなっても守りに入らず、挑戦をし続けなければいけないということだ。大企業はベンチャーなど「挑戦者」をつぶすことで保身を試みることが現実でもありがちだ。私もワタミも挑戦し続けたい。本来、規制や既得権がない、厳しい戦いが外食業界だ。「会食は4人まで」は営業妨害だ。

【夕刊フジ】「渡邉美樹経営者目線」(毎週火曜日連載)より