会計検査院が指摘している「税の無駄」が、今年も菅義偉首相に報告された。

例年1000億円規模の「税金の無駄遣い」が指摘されている。今年はコロナの影響で満足いく調査が行えず、例年より少ない約300億円だったが、それでも国民やマスコミは、もっとこの事実に怒るべきだ。

経営者の感覚では、予算を使ってどう「費用対効果」や「投資対効果」があったのか、検証するが当然だ。参議院には、決算委員会があり、本来こうした「決算」をしっかり監視し、その上で来年度の「予算」を議論すべきだ。この「税の無駄」の公表はあくまでごく一部で、もっと大きな額の大きな無駄を隠すためのパフォーマンスではないかとすら疑う。

もうひとつ国民が怒るべきなのは、民間並みと定められている今年の公務員のボーナスがこのコロナ渦、「たった0・05カ月減」だったことだ。大手航空会社をはじめ連日、大企業のボーナスゼロや大幅カットが報じられる中、だいぶ甘い判断だ。

本来、賞与は利益が出て還元するものだ。ただ現実は、ローンのボーナス払いなど生活の一部にもなっており、そのへんはわかる。しかし、公務員の賞与の原資は、私たちの税金か、赤字国債(国の借金)だ。公務員の待遇や人事評価も、菅首相が掲げる「前例踏襲打破」で大きく改革してほしい。少なくても、それぞれの官僚が、税金を使う際は、民間企業のようにKPI(目標達成のために見るべき指標)を出すべきだ。

もちろん政治家も「身を切る改革」が必要だ。自民党では連続比例復活の候補者を、今後重複立候補させない方針を菅首相が示した。本意は党の活性化だろうが、そもそも国民からは衆議院の比例復活制度は理解されていない、国会議員だけが望んでいる制度だ。

議員時代の友人もおり、志が高い議員もいるが、参議院もいらないと思う。国会議員の「身を切る改革」に対しては、国民が声をあげるしかない。

イタリアでは9月に国会議員定数を3分の1にする案が国民投票で可決された。このコロナ禍で、あらゆる改革が求められる中、政治家と官僚だけが「そのまま」でいいということはありえない。

国は今年ここまで赤字国債を71兆円発行し、第3次の補正予算が組まれると、さらにその額は増える。消費税を2%あげても税収は4兆円しか増えない。国家財政は急速に悪化している。

これだけ赤字だから、自分たちも「身を切ろう」という政治家や公務員がいても、本来おかしくないはずだ。少なくても税金は大切に使ってほしい。

【夕刊フジ】「渡邉美樹経営者目線」(毎週火曜日連載)より