渡邉美樹オフィシャルブログ 夢に日付を!(ワタミグループ創業者) Powered by Ameba

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国会議員としての卒論『警鐘』

今月7日、6年ぶりの新刊となる『警鐘』(アチーブメント出版)を出版した。この6年は激動だった。書き出しは「私とワタミは『ブラック批判』と『経験危機』を経験しました」で始まる。

これまで出した著書は、成功エピソードの紹介が大半を占めていたが、この本は違う。

まずは第1章で「破綻」と題し、この国の財政破綻に警鐘を鳴らす。6年間、国政で見てきたこと感じたことを総括した。国会の予算委員会のやり取りを聞き「このままでは日本は潰れる」と幾度となくそう感じた。

森友・加計問題に長時間割いたり、予算をどれだけ増やすかという話し合いは、経営者目線で見ておかしいと感じた。歳出削減の改革提案は、既得権に阻まれ、このままでは、年金も財政も破綻すると思う。もちろん、縮小する日本経済から活路を見いだす提言もしている。私の国会議員としての卒業論文であり、奮闘日記である。

第3章では「危機」と題して、ワタミ経営危機から完全復活までをつづった。債務超過に陥り銀行から「渡邉さんが経営に戻らないと、融資を引き揚げます」と言われた生々しい舞台裏、そしてそこから私とワタミがとった道を、すべて書いた。ブラック企業批判もあったが、それだけではない。

一例をあげれば、ワタミはその当時、外食部門と宅食部門で、同じ方向に向かって2台のトラックが走っていた。「私は外食担当なので」「私は宅食担当なので」という縦割りがあった。同じ会社として、1台のトラックにまとめればいいという「全体最適」、危機感がなかった。企業は生態系そのものである。トラックの例などは、生態系が崩れていた象徴である。「危機感こそが企業を存続させる」ではじまる、当時、社長以下幹部に渡した「10+1箇条」のメモも紹介している。

一方で、倒産寸前でも一人の社員もリストラしなかった方針や、ブラック企業批判に心が折れなかった理由も記してある。「ひとつひとつの課題にトドメを刺す」「高速でPDCAをまわす」「未来への想像力」など私の危機の時の流儀もまとめた。

続く第4章と第5章では、日本経済の先行きが厳しくても、企業を守り成長させていく戦略をワタミモデルと経営者育成と視点で綴った。

過去に財政破綻をした国を教訓にすると、このまま日本が多額の債務を放置した場合、(1)金利の上昇、(2)円安、(3)物価の上昇が進む。それぞれを「前提」として、それを織り込んだ経営が求められる時代が来る。円安一つとっても農業事業「ワタミオーガニック」は国内の自社消費と海外輸出の両面で大変有望と考え、経営戦略を描いている。危機の時代を乗り切る方法を中小企業経営者に伝える内容を書いた。

現在、アマゾンの中小企業経営者向けカテゴリーで1位・ベストセラーと聞きうれしく思う。経営は「解がひとつ」ではない。正しい道ではなく「行く道」を決めることである。行く道の参考の一冊にしてほしい。私自身は、88歳まで行く道を決めている。

【夕刊フジ】「渡邉美樹経営者目線」(毎週火曜日連載)より

 

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