前回に引き続き、
参議院経済産業委員会での
質疑の内容を紹介させていただきます。

日銀が年80兆円ものペースで
国債を買い続け、
事実上の財政ファイナンスを
行っていることは、
前回紹介した通りです。

しかし、日銀は国債だけではなく、
上場投資信託(ETF)も保有しています。
昨年6月24日の日経新聞の記事によると、
上場3,675社のうち、
833社で日銀が上位10位以内の
大株主に入ったとのこと。
ユニクロを展開する
ファーストリテイリングは
日銀が15%以上を保有し、
サッポロビールホールディングスは
日銀が筆頭株主だそうです。
日銀は年6兆円のペースで買い続けており、
保有残高は日本株全体でみると
3%超に達しています。

これが、日経平均株価を押し上げる
原動力になっています。
しかし、大量の株式購入を
永久に続けられるわけがありません。
そもそも、中央銀行による
上場投資信託の購入は、
他の先進国では例のないことです。

株価が大きく下がれば日銀の資本が
いたむ恐れもあります。
株式市場も、日銀が今後も大量のETFを
買い続けることを前提としており、
出口戦略によって購入額を減額すれば、
株価急落に結びつく恐れもあります。

ですから、買い続けなければならない。
でも、いつまでも買い続けるわけには
いかない。
国債と同様に、出口がありません。
日銀は、いったいどこに出口を
見出すのか?
その点について、
日銀の見解を聞きましたが、
納得できるものではありませんでした。

国債も株式市場も
そのような状況ですから、
日銀は最善の出口戦略を検討・実行しつつ、
国も自治体も企業も最悪の事態に
備えなければなりません。

ですから私は経済産業省に問いました。
悪いインフレ等による
中小企業への影響を試算していますか?
中小企業にとって危険水位となる
円高や円安がいくらか、
試算していますか? 
回答は、そのような試算はしていない、
とのことでした。

中小企業の経営者の皆さん。
これは、他人事ではありません。
中小企業の経営者の皆さんも
しっかりアンテナを立てて、
事前の「備え」をしていただきたいと
思います。

【次回】
中小企業支援体制について