私がこれまで何度も提言し、
動向を注視してきた、
受動喫煙対策を義務付ける健康増進法改正案。
先日、厚生労働省の素案が公表されましたが、
その内容に怒りを通り越して呆れています。

公共の場は原則禁煙となるはずの
受動喫煙防止対策が、
全く徹底されていないからです。
厚労省案では、
「中小企業や個人が運営する店舗」で、
「店舗面積が一定規模以下」
(報道では150平方メートル以下)は、
原則禁煙の適用除外。
「喫煙」「分煙」の表示があれば
喫煙が可能としています。

都内飲食店の約9割近くが
150平方メートル以下ですから、
ほとんどの店で喫煙が可能となります。
(その後「客席面積100平方メートル以下」
となりましたが、実質的に大差ありません。)

厚労省は法案の基本的考え方として、
「望まない受動喫煙をなくす」
とうたっています。
では果たしてこの基準が、
望まない受動喫煙をなくすことに
なるのでしょうか?

日本では7〜8割が非喫煙者とされています。
お客様の7〜8割が喫煙をされません。
お店で働く方も同様です。
それなのに、
約9割近くの飲食店では喫煙できる。
この基準は全く矛盾しています。

そして、「中小企業や個人が運営する店舗」
という定義も疑問です。
報道では「チェーン店ではない店」
とされています。
しかし、チェーンのラインは
明確に引けないはずです。
チェーン店であっても
小さな資本のところは?
大きな資本のところであっても
1店舗2店舗のところは?
チェーン店であっても、
仕入れを共同している店舗、
看板だけ共同している店舗もあります。
曖昧な表現は絶対にやめるべきです。

受動喫煙防止対策について、
私が一貫して述べてきたことを
改めて主張します。
「10坪以下」のお店は、
一種の“プライベート空間”
「喫煙・禁煙」を店主が自由に決めてよい。
そのお店を利用されるかどうかは
お客様の自由。
「10〜30坪」のお店は
“準プライベート空間”
エアカーテン等による分煙を義務付けるべき。
喫煙室を設けることが難しいゆえの救済措置。
「30坪以上」のお店については
“公的な空間”
個室など完全分煙の設備が
整っていない限り全面禁煙。

日本は煙を遮断するエアカーテンや、
空気の流れをコントロールする
エリア分煙など、
高い分煙技術を持っています。
分煙技術を世界に広げていくためにも、
国が設備投資を支援して、
環境整備を推進していくべきです。
それを端緒にして、お店を新しくすれば、
販売促進のチャンスも広がります。

今回の受動喫煙防止法案には、
33億円の予算が計上されています。
この予算はこのような設備投資に
使うべきです。
望まない受動喫煙をなくし、
「喫わない人」「喫う人」双方を守る
環境を整備する。
日本が誇るべき技術を用いて分煙環境を整え、
日本の飲食店、
ひいては日本経済を活性化したい。
これが私の主張です。

受動喫煙防止議員連盟の緊急総会で、
このことを発言しました。
引き続き、積極的に提言して参ります。