先週に引き続き、
郁文館夢学園での理事長説明会の内容を
ご紹介します。
今回は、2021年「大学入学共通テスト」にも
対応する、郁文館の「夢教育」の一例を
ご紹介させていただきます。

① 教科理念の明文化
私がメンバーを務めた「教育再生会議」で
最も強く主張したことです。
皆さんは学生時代、なぜ数学や国語を勉強
しなければならないか、教わりましたか?
少なくとも私は教わっていません。
なぜその教科を学ぶのか、
根本的なところを定義しなければ、
学習は点数をとるための知識に終わって
しまいます。
郁文館では全教科において、
「教科理念」を明文化しています。
例えば数学は、
「基礎学力、問題発見解決力、論理的思考力」。
社会は、「社会の諸問題に関心と意見をもつ」。
今回の入試改革では、例えば社会では
こんな問題が出題されるでしょう。
「今の社会情勢、何が起こり、それについて
どう思うか?」。
これは社会の教科理念そのものです。
点数をとるための授業では答えられない問題
なのです。

② NIE=Newspaper In Education
毎朝25分間、新聞を通して社会探究の基礎を
養うためのプログラムです。
社会に関心を持ち、意見発表と意見交換を
行います。
自分の意見を持ち主張する力、
プレゼンテーション能力も養われます。
受験対策のためにやってきたことでは
ありませんが、2021年の入試ではこの力が
問われると思います。

③ 席上留学
2021年の入試では、英語について
「話す」力も問われますが、
これまでの試験では、「話す」力は
求められませんでした。
我々は英語を何年勉強しても、
話せるようにはなりませんでした。
「話す」力がなければ、本当に英語を勉強した
ことにならない、ということで始めたプログラム
が「席上留学」です。
毎朝25分間、フィリピンのネイティブ講師と
オンライン通話でマンツーマンレッスンを
行います。
英会話スクールと同様のレッスンが学校内で
出来るのです。

④ 社会探求
生徒が、社会問題を13領域に分類した
トピックから選択し探求するプログラムです。
例えば、学校の近くに「根津商店街」があります。
この商店街を活性化するためには
何ができるかを考え、
商店街の活動に参加します。
学外に出て実社会と関わりを持ちながら学ぶ、
実践的探究活動です。

これらは「夢教育」の一例に過ぎません。
子どもたちが社会に出た時に、
人生の主人公として輝き、働くことを通じて
自己実現をする。
そのために考えた教育プログラムが、
「夢教育」です。
2021年の「大学入試共通テスト」は、
このような「夢教育」そのものが問われる
試験になると思います。

今回の入試改革を一端として、
学校教育が良い方向へ変わっていくことを
期待したいと思います。