先日、郁文館夢学園理事長として
学校説明会に登壇しました。
その内容を一部紹介させていただきます。

2021年から、大学入試センター試験が
「大学入学共通テスト」として大きく変わります。
先日の朝日新聞の記事によれば、
「これは入試改革ではない、教育改革であり、
学びの改革である」とのこと。
第1回目の試行調査結果を受け、
「全く違う対策が必要だ、準備を急がなければ」
という学校側の声、
「今の普通の授業ではこれは解けない」
という生徒の声も紹介されていました。
私自身、文科省から話を聞いていますが、
大学入試センターが、昨年11月に行った
「大学入学共通テスト」導入に向けた
試行試験(プレテスト)からは
少しレベルを落とすものの、
基本方針は変わらないようです。

では、試験の何が変わるのでしょうか。
例えば歴史についてこれまでは、
「コロンブスが何年にアメリカ大陸を
発見したか」
つまり、「何年に何が起きたか」が重要でした。
しかし大学入学共通テストでは、
「コロンブスはなぜ、アメリカ大陸を求めて
大海原に出ていかねばならなかったのか」
と、時代背景を考察し答えなければなりません。

実は、今回の入試改革を模索し始めたのは
第1次安倍内閣の時です。
「教育再生会議」が設置され、
私学経営者の中では私が唯一選ばれて
メンバーに入りました。
当時の一番の議論は、
「これからIT、人工知能の発達する社会
において、学校教育はどうあるべきか」
ということでした。

例えば数学において、方程式にあてはめれば
答えがでるような問題は、
機械の方がより正確に早く解くことができます。
これからの子どもたちには、
機械でもできることではなく、
人間にしかできないチカラを
身につけさせなければなりません。
そのために、論理的思考のできる子どもたちを
育成しようということで、
今回の入試改革の元となる方向性が
話し合われました。
私の考える方向性は以下の3つでした。
① 課題発見、解決力
(自ら問題を発見し、解決することができる)
② 創造力
(ゼロから物事を生み出すことができる)
③ 人間としてのやさしさ、誠実さ、
謙虚さ、強さ

しかし、さあここから、という時に、
教育再生会議は解散になってしまいました。
その後の第2次安倍内閣にて
下村大臣が精力的に取り組まれ、
2021年の大学入試改革に辿り着いた、
というわけです。

教育再生会議は解散してしまいましたが、
本来あるべき教育の姿は、
郁文館の理事長として、
ずっと追い求めてきました。
「学校は子どもたちの幸せのためだけにある。
単純にいい大学に行くことが幸せではない。
論理的な思考、創造力、人間としてのやさしさ、
生きる力を身につけさせたい」
これこそが、郁文館の「夢教育」です。
2021年の大学入学共通テストで問われる力は、
郁文館はずっと前から取り組み、
育んできたチカラなのです。

2021年、「大学入学共通テスト」、
この学校はいいい結果を出すでしょう。
これまで郁文館は受験の結果は
追い求めてきませんでした。
しかし大学入学共通テストでは、
我々の教育のカタチがそのまま試験に
当てはまります。
郁文館で実践する教育に、
やっと日本の教育が追いついてきたのだと、
胸を張って言いたいと思います。