先日、早稲田大学の学生に
「グローバル起業家論」というタイトルで
講義させていただきました。
受講生はグローバルな活躍を目指す
学生たちばかりですが、
「グローバル人材」に必要な条件とは
何だと思われますか？
「英会話」ができることを
思い浮かべられたかもしれませんが、
これからの時代、
語学力は重要ではありません。
人工知能による言語学習は急速に
高度化しており、
５年後には完璧な同時通訳が可能になると
言われています。
外国語は話せなくても
コンピュータがやってくれる時代が
来るのです。
では、グローバル人材に必要な力は何か。
私はこれを経営者時代に身をもって
学びました。
米国大手レストランチェーン、
TGIフライデーズの、
日本での展開権を巡り交渉した時のことです。
他にも大手商社や大手外食企業が
提携先として名乗りを上げており、
当時、まだ店頭公開して間もない私たちは
不利な状況でした。
さらに、私たちは
「最初の5年間はロイヤルティーを
支払わない」という
無理難題ともいえる条件を提示していました。
それでも最終的にフライデーズが
選んだのは私たちでした。
こんなハードネゴシエーションが
結実できたのは、
かねてよりフライデーズを尊敬し、
あこがれていた私の、
日本展開にかける強い情熱が伝わったこと。
無理難題に見える条件の正当性を、
丁寧に、誠実に説明したこと。
そこには「心」と「科学」がありました。
そして、このような「人と人との誠実な向き合い」
があったからだと思います。
国や人種、言語が異なる相手でも、
結局は同じ人と人のコミュニケーションです。
正直に、誠実に生きること、
他人の喜びや悲しみを共有し、
自分がして欲しいことを相手にできること。
グローバルに活躍するために
最も重要な力だと思います。
簡単なようで難しいことは、
今も絶えない国家間紛争や宗教対立、
根強く残る人種差別を見れば明らかです。
学生たちには、
このような人としての根本的なあり方を
大切にして、
大いにグローバル社会で活躍して欲しいと
願います。
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