先週、参議院の「消費者問題に関する特別委員会」において35分間、質疑をさせていただきました。
テーマは「食品ロス」です。
「食品ロス」とは、「まだ食べられるのに捨てられている食べ物」のことです。
この食品ロスが、日本でどれだけ排出されているか、皆様はご存知ですか?
日本の食品ロスは、年間632万トンと試算されています。
このうち、事業系が330万トン、家庭系が302万トンです。
300万トンとか、600万トンとか言われても、ピンときませんよね。
国連WFP(世界食糧計画)による世界全体の食糧援助量は320万トン(2014年)です。
つまり、世界中の貧困に苦しむ人たちに支給されている食品援助量の倍の食物を日本は捨てているのです。
2015年、国連サミットで「2030年までに小売・消費レベルおける世界全体の一人当たり食料の廃棄を半減させる」という目標が掲げられました。
日本も当然、早急に食品ロス削減に向けた取り組みをしなければなりません。
実は私は、Save Earth Foundationという公益財団法人の代表理事でもあります。
この公益法人は、資源循環と森林再生を主な事業として取り組んでいます。
資源循環事業はまさに、食品廃棄物のリサイクルや、食品ロスの削減を目的としたものです。
この活動を通じ、食品廃棄物の現場を知る者として、質疑ではいくつかの提案をさせていただきました。
例えば、廃棄物の区分の見直しです。以下の【表-3】をご覧ください。
同じ食品廃棄物でも、食品メーカーから出されるものは「産業廃棄物」として処理されます。
しかし、卸売業者や小売業者、外食産業から排出される食品廃棄物は「事業系一般廃棄物」として処理されるのです。
食品メーカーのリサイクル率が96%であるのに対して、卸売業は65%、小売業は51%、外食産業は39%に過ぎないのは、廃棄物の区分が違うことも少なからず影響しています。
そこで、私は「食品卸売業者や食品小売業者、外食産業から排出される食品廃棄物も「産業廃棄物」とするよう区分を見直してはどうか」という提案をさせていただきました。
しかし・・・、これに対する環境省の回答にはびっくりしました。
「見直しの必要があるとは考えておりません。」
こうみえても私も与党の一員です(苦笑)。
「検討します」くらいのことは言ってくれるかと思いきや、完全なゼロ回答とは驚きました。
「消費期限」と「賞味期限」に関する提案もしました。
以下の図をご覧ください。
「消費期限」は、牛乳など傷みやすい食品に表示されるもので、「期限を過ぎたら食べない方が良い期限」を意味します。
「賞味期限」は、冷凍食品やお菓子など日持ちする食品に表示されるもので、「美味しく食べることができる期限」を意味します。
問題は「賞味期限」です。カップラーメンが賞味期限を一日過ぎたからと言って、昨日まで食べられたものが今日から突然、食べられなくなるわけではありません。
「賞味期限」を過ぎても、十分、食べることはできるのです。
ですから私は、日持ちする食品については「賞味期限」と「消費期限」の両方を表示することを提案しました。
「賞味期限」を過ぎ、「消費期限」に満たないものは、多少、味が落ちたとしても、十分に食べられるのです。そのような食品をスーパーでディスカウントしたり、フードバンクを通じてホームレス支援団体などに寄付すれば、日本の食品ロスは大幅に削減できるはずです。
この提案に対する消費者庁の回答にもびっくりしました。
「賞味期限と消費期限を両方表示したら、消費者が混乱する」との回答でした。
本当に混乱しますか?
しっかり事前に広報して、消費者教育を徹底すれば、混乱なんてしませんよね。
環境省にせよ消費者庁にせよ、どうしてこうも「現状肯定」なのでしょうか?
大きな目標を国民全体で達成するためには、時には国民や企業にも「痛み」を分かち合うことも必要であり、「現状否定」が必要なこともあります。
官僚の意識改革なくして、大きな改革はできない。
改めてそう感じた国会質疑でした。
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