桜前線とは、よく言ったものと、
東北新幹線に乗るたびに思います。
桜は確実に北上しています。
今回の桜は、仙台で満開でした。

まだ桜のつぼみ膨らむ陸前高田市へ。
もう何回目の訪問でしょうか。
今回は、高田小学校の校長先生と、お話をすることができました。
震災前400人以上いた生徒のうち、亡くなった7人のお子さんを含め、
100人以上の生徒が、学校を離れ、現在は300余名とのこと。
その300余名の生徒のうち、50名以上の生徒が
両親もしくは片親を震災で亡くしているとのこと。
そんな異常な環境の中、子どもたちは底抜けに明るく、学校生活を送っているとのこと。
実際、授業を見せていただきましたが、
そんな悲劇を、ほんの少しも彷彿させない元気な授業でした。
一方、家に帰り、突然泣き出す子がいることも事実とのこと。

校長先生いわく、
彼らが背負っているものを、意識しなければいけないのだが、意識し過ぎてもいけない。
大きな悲しい事実と向き合わせつつも、心を守りながら、「ふつう」に戻していくこと。
そこが難しい。
一人一人がこれから一生、背負っていかなければならないことは確かで、
決してそこから逃げられないことを教えていかねばならない。
それが辛い。

私も、私自身が10歳の時、母を亡くした経験をふまえ、
私が理事長を務める郁文館夢学園で親を亡くした生徒には、
「事実は変えられない、辛いだろうが、その運命を背負っていきなさい」と、話をしています。
「時間」という薬が少しずつ悲しみを癒すことを私は経験から知っています。
被災地の子どもたち
早く時間が過ぎ、悲しみがやわらぎ、
厳しく辛い現実を乗り越えていくことを、心から願います。
あの屈託のない笑顔が、本当の笑顔となりますように。