三重県松阪市で「地域ブランドサミットinまつさか2011」
の講演会がありました。
松阪市の山中市長からの依頼で19の地方自治体の首長、
そして松阪市民の皆様に、私のブランドに対する考えを語らせていただきました。
ブランドとは「お客様との無言の契約」であること。
ブランドとは「思い出の小箱」であること。
ブランドとは「らしさ」であること等々。
27年半の間、経営者として気をつけてきたことを、素直に話させてもらいました。


その日の午前中に、
伊勢神宮に参詣した際、
「赤福」の本店に寄り、副社長さん、
そして「おかげ横丁」の社長さんと、話をする機会を得ました。
まだ記憶に新しい「赤福偽装表示」事件、
その事件から見事に立ち直っていました。
3ヶ月間の営業停止が終わった翌朝、本店の前には早朝から人が並び、店を開けると、待たれていたお客様から「万歳!」「万歳!」の声が上がったそうです。
社長さんは言っていました。
「商いが、こんなにも素敵なものだったと、それまで知りませんでした。
有難くて涙が出ました。」


300年の歴史の赤福、
大切にしてきたのは、その「赤心慶福」の理念。
赤子のような心で、お客様に尽くす。
そのことを300年やり続けてきたゆえに、
お客様は一度のあやまちをゆるして下さったのでしょう。
ブランドは信頼残高が積み上がることで強くなるのだと、教わりました。

20年前、赤福は140億円をかけて「おかげ横丁」という商店街(いやテーマパーク)をつくり、地域経済に貢献していました。
この20年で「おかげ横丁」の入丁者数は200万人から440万人となり、伊勢神宮参りにはなくてはならない存在となっています。
地域の方々は、そんな経営姿勢
~自分たちだけが得をすればいいわけじゃない~
という姿勢を見ていたのでしょう。
大切にしていること、「神恩感謝~商人の町~伊勢らしさ」とのこと。
まさにブランドとは、その企業の生き様の表現そのものだと感心しました。
追伸:赤福はもちろんですが、おかげ横丁の伊勢うどん、
これは絶品でした。是非ご賞味を。