私が理事長を務める学校の高校生100名近くが、毎年1年間、ニュージーランドに留学しています。
来年4月から入学する中学生においては、
中学3年時、2ヶ月間、ニュージーランドに留学することになっています。
そんな関係もあり、ニュージーランド駐日ケネディ-大使に昼食を招待していただきました。

渋谷松濤の静かな高級住宅街に大使館はありました。
日本的庭園に囲まれ、井伊直弼庭にあったという灯籠や、井戸が、
その庭を趣きのあるものにしていました。



ニュージーランドワイン、

ニュージーランドのシーフード料理、

そして、ニュージーランドビーフ、

とても美味しい食事でした。

デザートに入った時、大使から、

「調査捕鯨についてどうお考えですか?」と質問されました。

何を突然聞くのだろうと考えていると、

「今、本国では、日本の調査捕鯨継続の発言に対して、大騒ぎになっています。

 ましてや、日本政府の、

『調査捕鯨を継続したあと、商業捕鯨を復活させたい』の発言には、

国際世論に逆行するものと私自身危惧しています。

私たちは、捕鯨を、鯨がかわいそうなどと言う理由で反対しているのではなく、

捕鯨をするのなら日本の沿岸だけにして欲しいと思っています。

食文化をとやかく言うつもりもありません。

南極海の自然と生態系を守りたいと考えています。

南極海は私たちにとって大切なふるさとなのです。」

私はこの発言を聞き、

シーシェパードの、理不尽な行動は許せん。

食文化について周りの国はとやかく言うな、

鯨が多くなりすぎているゆえ捕鯨は海全体のバランスを守る、等々の

調査捕鯨派の意見は一方的なものであると気づきました。


すべてのものごとは、多面的に見ていかなければなりません。

今回の調査捕鯨問題、

誤解をおそれずに言えば、たかが「鯨」で日本が日本人が大きな誤解を受けています。

この誤解を解き、前に進んでいくことこそ「外交」の力です。

お粗末な「外交」で、私たち日本人が世界中から誤解されることだけは避けなければならない。

ニュージーランド大使館の日本庭園を眺めながら、そう感じていました。