2007年7月までワタミの各店舗では割りばしを使用していた。


割りばしを製造、使用し、さらにリサイクルする環境負荷と、
ぬりばし(プラスティック製)を製造、使用し、洗浄する環境負荷をスコア化して比べるとほぼ同点であったため、お客様には割りばしのほうが喜ばれるだろうと判断していたからだ。


ネットワーク『地球村』 の高木善之さんから、
“なぜ割りばしを使うのか”というご質問をいただいた時も、
私は自信をもって、以上の説明をした。


ところが高木さんからは、
“そのスコアは割りばしが間伐材の場合はあり得るかもしれません。

日本の割りばしで間伐材が実際に使われているのは2%程度、
1本10円程度と高額であり、一般のお店にはほぼ流通していないのが現状。”
と指摘をいただいたうえ、


“同じ環境負荷であるのなら、ぜひぬりばしを使いませんか?
これだけ世の中に割りばしが溢れているなか、
お客さまに「なぜワタミは割りばしではないんだろう!?」と
考えてもらうきっかけになるだけでも問題提起になる。
環境問題にとってこれは大きな貢献になりますよ。”

との提案をいただいた。


皆さんなら、どう判断しますか?



私はまったくそのとおりだな、とすっかり納得し、
すぐさまワタミ全店舗の割りばし廃止を決定した。



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今“Myはし”として自分でおはしを持ち歩くことも注目されているように、
世間でも割りばしの問題が見直されている。
“ワタミが割りばしではない”という制度が、
社会への問題提起の一助になっているのであれば嬉しい。



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※ワタミの森の間伐材から作られた『森の箸』を株主総会にて販売



さて最近、まさに“制度が人を動かすこと”に関連する、
気になるニュースがあった。


この7月より札幌市が家庭ごみ有料化を始めた。
有料指定袋を1Lあたり2円で販売することで、市民に自発的なゴミ排出量削減を促すのだ。
札幌市は過去にも有料化による削減に成功した実績があるという。


こういった人を自発的に動かすような必然的な制度を作ることこそ、
政治が本来果たすべき役割だと思う。
札幌市の取り組みの行方を見守りたい。