アラカンオンナが、
感じるままに綴るブログです。
初日の出に輝く氏神様の木。
我が家は毎年、大晦日からお屠蘇を作る。
作ると言っても、
みりんと日本酒を合わせたものに、
屠蘇散と呼ばれる、屠蘇の素というか
生薬が入ったティーバックを
漬け込むだけなのだが。
この屠蘇散がクセモノで、
最近はなかなか売っておらず、
昔はこの時期のみりんに
おまけとしてついていたのに、
今はなかなか見当たらない。
最近は様々な神社から
この時期になると屠蘇散が送られてくるので
ありがたく使わせていただいている。
実は余ってしまうほど…
しかし、
かつては若い店員さんに聞こうものなら、
大抵が屠蘇散どころか、
お屠蘇すら知らない。
ムスメに愚痴ると、
ワタシの友達、
お屠蘇飲んだことない人がほとんどだよ〜
という衝撃の事実
お屠蘇って、
みんな飲まないの…?
自分の常識が世間の常識ではないと
改めて実感する伏見美帆子。
たまたまワタシの実家は
お正月にはお屠蘇をいただき、
たまたまオットの実家も
お正月にはお屠蘇をいただいていた。
だからそうではないご家庭があると
本当に最近まで知らなかった。
当たり前のように
誕生日にはケーキ
節分にはイワシ
クリスマスにはチキン
冬至にはかぼちゃと柚子湯
一月七日は七草粥
ひな祭りはちらし寿司
端午の節句は柏餅と菖蒲湯
大晦日は年越しそば…
そしてお正月はお節料理とお屠蘇
という、
サザエさん一家並みの生活をしていることも
実はもう珍しかったりするのかしら?
Facebookで、お屠蘇のことを呟くと
やはり同世代の友人でも
飲んだことがない人もいたり、
みりん入れずに日本酒だけとか
実に様々…
そもそも、屠蘇は、
嵯峨天皇の時代、唐から蘇明という博士が
使いとして「屠蘇白散」という薬を献上し、
それを御神酒に浸して元旦から三が日の間
ご神事に用いられたのが始まりという。
その後、庶民にも広まり、
無病息災を祈願して
お正月に一家でいただくようになった。
屠蘇散の中身は、
桂皮(カシア)、山椒、
陳皮(マンダリンオレンジの果皮)、桔梗、
大茴香(八角)、丁子(クローブ)、
浜防風…などなど。
メーカーによっても異なるかと。
でも、
それぞれの効能は、
寒い時期に体を温め、胃腸を促進する役目が。
この時期ならではの生薬である。
これは大茴香(八角)。
伝統行事には、
実は様々な意味があるからこそ、
人々が行い続けてきたものだが
今では
少しずつ廃れていっているのは否めない。
クリスマスやハロウィンなど、
海外の行事が盛り上がっているのに比べ、
日本の昔ながらの行事は
知らない人も多くなっている。
しかし、
かつてこんな記事も書いたが、
未来に向けて、
様々に変化はしていったとしても
日本人のココロだけは、
忘れていかないだろうと希望を持っている。
大晦日までの賑わいが一転して
除夜の鐘の音を聞いて厳かになるのは
やはりココロに染み入ることが
あるからだろうと。
お屠蘇に様々思い起こす、
お正月でした。
我が家の屠蘇器は母が元気だった頃に購入した京漆器。大切に使わせてもらっている。