時に毒となり、時に救いの鍵となるのは… | 春はあけぼの 女は美学

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50過ぎた女が感じたこと、考えたことを書いてます

こんにちは。

文字つづりすとの渡邊美帆子です。



アラフィフオンナが、
感じるままに綴るブログです。




昨晩、
ムスメが最近見始めた「ハコヅメ」というドラマを
何気なく見ていた。


新人で交番に配属された若い婦人警官が
優秀な先輩とペアになって
様々なことを経験していく、
いわゆるアルアルな主人公成長ドラマ。

全体的なストーリーは
ちゃんと見ていなかったので笑、わからないが

とあるシーンが強く印象に残った。

家の中で病死した男性を検死するシーン。
「私たちはご遺体に敬意を払わなければならない」
と、
新人警察官の永野芽郁に諭す先輩の戸田恵梨香。

服を脱がして、
背中を見た途端、戸田恵梨香の表情に驚きが。


介護経験者の私は、
ご遺体に、床ずれやあせもや、もしくは
虐待された後のあざや、
垢などが溜まっているのではないかと
不安になってしまったが、

逆だった。


検死が終わった後、
たった一人で舅を長い間介護しながら
パートも掛け持ちをしていた女性に向かって、
戸田恵梨香が頭を下げる。

とても丁寧に介護をしていたことが、
ご遺体を見てわかる、と。
そこには床ずれや汗もがなかったのももちろん、
髪も丁寧に散髪され、
髭もキチンと剃られていた。

「検診的に介護なさっていたんですね。
長い間の介護、お疲れ様でした。」

戸田恵梨香がその女性に言葉をかけると
ずっと無表情だったその女性は
声をあげて泣き出した。
それを見て、非行に走っていた息子が
母の苦労を知って改心する。


介護をしている時に、多くの人から

大変ね、
よく頑張っているね、

と声をかけられる時がよくあった。

本当に、本当に大変な時には
そんなことを言われても、

何にも知らないくせに!
ねぎらいの言葉だけ言われたって!

と、
私はそんな言葉を受け止めることができなかった。

仮面の笑顔で、
ときに無表情で、

スルーしていた。
そんな自分にも嫌気がさしていた。


でも、
父が入院したときに、
看護師さんやケアワーカーの人たちから
私の介護の必死さに気づいて
優しい声をかけてもらったことは
本当にありがたく、素直に受け止められたものだ。


私も、父の最期に、
監察医の先生からの労いの言葉や、
警察署の方々の温かい敬意の気持ちによって

どんなに自分が救われたことか…。

その女性の涙が、
かつての私と重なって見えた。


口先だけの労いの言葉は時に針となって
その人の心をチクチクと刺していくが、

敬意を持った心からの労いの言葉は、
人を救い、罪悪感からも解放させてくれる。




その時のことを書いたブログにも書いた言葉を、
警察官の方々への敬意を払って、またここに。


人々を守るということは、

尊厳を守るということ。

腕力と権威だけではなく

思いやりや愛をも必要であり、

警察の方々はそれを実践していらっしゃるのだと。


そのブログはこちら。