土手さんぽ | manaのつぶやき*ノーカラットの輝き*

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日々是好日。

日常を綴っています。

ドラマ・漫画・星の事・音楽・畑の事など、見たもの触れたもののつぶやき多めです。




おっとの釣りに着いていって、今日ものんきに川辺にある土手を散歩していた。


よく来ている土手だったのだけれども、今日はいつもと違う方向へ行こうと、少し先の方に見えた車の通っている青い橋に向かって歩き出した。


不思議なもので、何か目的があると歩ける。



車の通っている青い橋には思いの外すぐに着いた。

そこから、今度は電車の通っている橋が見えたので、あの橋の下をくぐってみたい!という好奇心から、今度はその場からほんの少し先にある鉄橋を目指した。



道は途中で途切れていて、くぐりたいのならこちらからどうぞ。といわんばかりの護岸ブロックの坂が脇にあったので、そこを斜めに降りていき、鉄橋の下に着いた。



下から線路を眺めていると、
格子状の床の影で出来たストライプが見えて
その規則正しい美しさに
得をした気持ちになった。


けれど、この上を電車が通ったら音が大きくて怖そうだなと小心者ぶりを発揮して、すぐにその場所から移動した。




さて、これからどうしようか?と考えた。

体力的にはまだ歩けそうだった。

というか、わたしは「来た道を戻る」「同じ道を歩く」という事が好きでは無いので、そのまままっすぐ進むことにした。



大分離れたところに、
また青い橋がかかって車が通っているのが見えた。

あそこまで行こうかな。と、また歩き出す。





元いた場所から大分遠くまで歩いてきたけれど、
そんなに歩いた感覚もなかったし、
すぐにまた戻れる。と思っていた。

また、どうしても戻れなかったら
おっとに電話して車で迎えに来てもらおうと思っていた。

車の鍵はわたしが持っていたのに。←




大きな鉄塔の横を通り過ぎた。
今日はとにかくいい天気だった。




土手の端に引かれた白線に溝があった。

車でこの上を通るとブーンと音がして、ハンドルに振動が伝わってくるやつだな。と思った。


また、今日はストライプ日和だな。とも思った。







そうやって歩いている途中、
自分がトイレに行きたくなっている事に気付いた。


いや、嘘。ウソウソ。
本当はもっと前から気付いていた。



でも、周りを見回しても、川と土手しかないので
気付かないふりをしていた。



たまに工事現場の人用の仮設のトイレがあったけれどもそれを借りる勇気もないし、

だからといって
草むらで用を足す勇気もなかった。

何度か頭をよぎったけれども
やっぱり無理だった。


そしてこの時初めて
車の鍵は自分が持っている事に気付いた。




後ろを振り返ると、
下をくぐってきた鉄橋はもう見えなくなっていた。



トイレに行きたいけどトイレがない。

戻りたいけどすぐに戻れない。



急に不安になってきた。





Googleマップを開いて、近くのコンビニを探したら、歩いて30分かかると出た。

30分歩くって、結構だ。

しかもこちらは
トイレに行きたいことに
気付いていない振りをしていたがために
急に急を要している。


これなら元の場所に戻ってから車に乗ってトイレに向かった方が良いかもしれない。(冷静になって考えてみると、ここからコンビニに行った方が早い)



そう思って、数十分前までの目的地だった青い橋を渡り、対岸の土手に沿って、元の場所に戻ることにした。




そうして、
しばらく歩いていて気付いた。




この土手は、
元いた場所に繋がる土手ではない!



土手の道は途中でぐ〜んと曲がっていて、
U字になっていた。

そんな事あるの!???


電車の通っていた鉄橋も遠くに見えたけれども
道は繋がっていなかった。





対岸にある、行きに歩いてきた土手を見る。

ここからあそこまではほんの数十メートルの距離なのに、実際にあそこに行くまでに、また20分ぐらいは歩かなければならない。。。そしてそこから元の場所に戻るまで30分以上。。。考えるだけで無理だった。





仕方ない、Googleマップで検索したコンビニに行く事にした。

まずはこの焦りと不安の元凶になっている尿意をどうにかしなければ。

あの時素直にコンビニを目指していればこんな事にはならなかったはずだが、もはや後の祭りである。

情けない。
わたしはいつもこんな事ばかりやっている。





U字の土手を歩いて、大きな道路に出た。

トイレに行きたい予感を受け取ってから
40分ぐらいは歩いていたと思う。

Googleマップを頼りにコンビニを目指す。

尿意は緩急をつけて
わたしに襲いかかる。

止まったら終わる。と思っていた。






そして、20分ほど歩いて、
1番近いコンビニだったセブンイレブンについた。

お馴染みの「7」の看板が見えてから、自動ドアの入口までは、もう軽く小走りだったかもしれない。


入ってすぐのところにいた店員さんに「御手洗を貸してくだい!」と伝えて

「どうぞ」と微笑んでもらい

便器に腰掛けた時
心の底から安堵した。


この安堵感はちょっと最近では
経験に無いものだったと思う。





コンビニでは
ちいさなお茶と、
Twitterで美味しい!と噂されていた
乾燥させた生ハムを買った。


何も持たずに散歩にでてしまっていたので
またさらに安心した。



コンビニにはいつも助けてもらっている。

旅人の灯台だよ。ありがとう。コンビニ。





ここで少し休もうかと思ったけれど、
元いた場所に戻ってから休みたいと思った。


GoHOMEわたし。
GoHOMEわたし。




そこからはキチンとGoogleマップで
道が繋がっているかを確認してから歩いた。

1時間ほど前までモリモリにあった
好奇心は跡形もなく消え去っていて、

今あるのは、早く知っている場所に帰りたい。の気持ちだけだった。



そうして、黙々と歩き続け
行きにくぐった鉄橋を再びくぐった時に
もう大丈夫だ。。と思った。


いつもおっとが釣りをしている場所が見えた時、
あぁ。。。帰ってきた。。。と思った。




時計を見たら、
自分が散歩に出てから
2時間が経とうとしていた。



正直、2時間しか経っていなかったのか。と思った。

わたしはこんな大冒険をしてきたというのに!!




そう。大冒険だった。

わたしにとってはものすごい冒険だった。


車にも新幹線にも飛行機にも乗っていないのに

移動距離なんて10キロにも満たないのに

大冒険だった。




多分もう二度とやらないと思うけど
自分の身体ひとつで
こんな非日常を味わえる事があるんだと
心の底から驚いた。




ちなみに、釣りをしていたおっとから
1度も連絡が無かったことにも驚いた。



2時間。。。まぁ。。連絡。。こないか。。。











真逆の国#80

疲れすぎたので休みます