3月9日(月)「きょうのおふでさき」アーカイブ版(6)
■「きょうのおふでさき」 第6号のまとめ(3月9日)2026/03/09
■おふでさきの区切り《省略》
▼第六号・(30)~(37) <2026/03/09>
《六号1~16、17~31、32~54、55~74、75~87、88~103、104~117、118~134 (8)》
■(30)きょうのおふでさき《六号1~16》
なにもかもあきをあいづにみへかける
よふきづとめにはやくかゝれよ 六号13
おつとめの話をつづけられます(17)。おつとめ人衆十人の心を神が受け取ったなら思惑を説き聞かす(18)。とにかく十人が揃わねば始まらない(20)そしてそれぞれが成って来ることを通常の病などとは思わず(22)、神の思惑として受け止めて心すませていくことを望まれています。
これまではいろいろな道を通ってここまで来たが、まだ日が来たらずいずんでいた。この先は本真実を言って聞かす(25)。これまでの道は「拝み祈祷」の道であった(26)が、その元はだれも知らなかった。これからはその元、元初りの真実を教え、よろづたすけのおつとめによって(29)たすけの道(ほんみち)へと展開していく。おつとめの人衆の中に元初りのをやがいる(30)のである。元初りの話が「つとめの理話」と言われる所以が説かれています。
■(31)きょうのおふでさき《六号17~31》
しんぢつのつとめの人ぢう十人の
心を神がうけとりたなら 六号18
おつとめの話をつづけられます(17)。おつとめ人衆十人の心を神が受け取ったなら思惑を説き聞かす(18)。とにかく十人が揃わねば始まらない(20)そしてそれぞれが成って来ることを通常の病などとは思わず(22)、神の思惑として受け止めて心すませていくことを望まれています。
これまではいろいろな道を通ってここまで来たが、まだ日が来たらずいずんでいた。この先は本真実を言って聞かす(25)。これまでの道は「拝み祈祷」の道であった(26)が、その元はだれも知らなかった。これからはその元、元初りの真実を教え、よろづたすけのおつとめによって(29)たすけの道(ほんみち)へと展開していく。おつとめの人衆の中に元初りのをやがいる(30)のである。元初りの話が「つとめの理話」と言われる所以が説かれています。
■(32)きょうのおふでさき《六号32~54》
にんけんをはぢめよふとてたん/\と
よせてつこふたこれに神なを 六号51
無い人間無い世界を創められたその詳細を改めて説かれています。この世の元初りは泥海のような無秩序で混沌とした状態であったが、そこに親神の働きによって「うを」と「み」を見出し引き寄せて夫婦をはじめられた(32)。泥海のなかに「どぢよ」ばかりのように見えたが、その中によく見澄ますと人間の顔をした「うを」と「み」が見出され、親神は人間を創ることを思いつかれました(35)。そこで人間を創るのに必要な道具を寄せてそれに守護を教えられた(36)。その道具は「にくさづち」「月よみ」(37)、「くもよみ」と「かしこね」「をふとのべ」「たいしよく天」とを引き寄せて(38)「たしか世界を初めよ」と「神の相談しまりついた」と語れています。いわゆる「六台はじまり」が説かれています。おさしづで、教会での、をてふりの人数について伺われた際、「六だい一つの理、それより理を始める」(22・5・25)と言われています。
とにかく人間創造は「なみたいていな事でない」(40)「なにをゆうのもむつかしき事」(41)であると言われたのです。
この世始めた真実の話はだれも知っている者はいない(42)。これからは言って聞かせるから嘘と思わずしっかり聞け(43)。人間はじめかけたのは、「うをとみ」に「なわしろとたね」の働きを仕込んで(44)九億九万九千九百九十九の子数を宿仕込んで(45)その成長(48)を支えてきた。この世の真実の神は月日であって、あとはみな道具である。人間はじめには使った道具に神名を付したのである(51)。そしてその説き方のサンプルも示されています(52)。それらの詳細は「こふき話」の写本にあり、ここではその断片を取りあげられたものと考えます(53)。
■(33)きょうのおふでさき《六号55~74》
月日よりそれをみすましあまくだり
なにかよろづをしらしたいから 六号56
元初りの話をこれまでとは違った別の観点から説き直されています。
このところは親神がこの世を創められた元の屋敷(55)であって、そこにおやさま魂のいんねんを見澄まして天降って何かよろづを知らせる、と説かれている(56)。立教の元のいんねんである。「めいめいのやしろ」(57)とは註釈によると「つとめの人衆」のことである。「やしろ」とは親神のたすけ一条の働きを担ったある種の役割を言われたものと考えられる。「月日のやしろ」という役割はしっかりともらい受けてあるが、「めいめいのやしろ」はまだもらい受けていないので、それを見て人々の心もいずんでいた(59)。このたびは月日が表に現れてなんでもみな話して聞かそう(60)。今までは御簾の内側にいたから外側から何も見えなかった(61)が、このたびは明るいところに出たので月日の働きがすぐ見えるだろう(62)。
おやさまが明治七年に奈良県庁からの呼び出しに応じて山村御殿に出向かれ、お帰りになられてから赤衣を召されます。そのことを「このおやさまが召されている赤い着物を何と思っているか、中に月日が籠もっているのだぞ」(63)、と言われ、月日のやしろという役割を明確にされたのです。
今までも月日・親神の思うままであったが、まだその時旬が来ていなかったので見許していた(64)。このたびはその時旬が到来したので何かよろづをまま(思い通り)にする(65)。しかしそれを知らずに高山は何を考えてまま(思い通り)にしているのか(66)。このところ(おやさま)には人間の心はなく(67)、どのようなことを言うのも、筆先に誌すのも月日の心からの指図(68)である。それに対して高山は何を言っても思ってもそれは人間の心の指図である(69)。
月日・親神がつけた名前(神名・天理王命)を取り払おうとした。その残念をなんと思うか(70)。真実の月日の立腹、残念は容易なることでないと思えよ(71)。今までは「高い山」だと威張ってまま(思い通り)にしてきた(72)が、これからは月日がそれ(高山)に代わってまま(思い通り)にする。できるならその真似をしてみよ(73)。このところ何を言うのも、どのようなことをするのも、月日が思う通りのことばかりである(74)。
■(34)きょうのおふでさき《六号75~87》
このよふわどろうみなかの事なるし
なかに月日がいたるまでなり 六号80
時の政府は明治5年から大教宣布運動を展開します。教導職が設置され、全国に神仏合同の機関として各地に「大教院・中教院・小教院」を設置して、神官・僧侶など総動員して、人心教化策を打ち出しました。
おやさまが奈良中教院から呼び出されて山村御殿に出向かれた後、「天理王という神はない」と信仰差し止めなど申し渡されたのはそうした大教宣布の嵐の中にあった事件と理解できます。
それに対して親神は「これからは月日の心残念をはらす模様ばかりする」(75)「積もりてあるをかやしする」(77)と高山に対して承知していよと、警告されました(79)。
月日の残念をはらす、残念が積もり重なっているのを、なぜ、かやすのかそのその元を80以下で語られます。
泥海から無い人間無い世界を始めらかけられました(81)。まず泥海中を見渡して道具を見極められます(82)。泥海中にどじょう(人間の種)、うおとみ(人間の雛型)、「ほかなるもの」必要な道具を引き寄せて談じ合い、人間を創造されました(84)。「六台はじまり」を説かれたものと理解します。無い人間無い世界をはじめるために月日親神が心を尽くされた(85)のです。こうした道すがらを知っている者はだれもいない。月日のそれに対する残念な思いはいかほどのものであるか。これほどに思って始めたこの世界であるから月日の心の残念な思いを何と思っているのか。その元、根拠をここに語られたのです。
■(35)きょうのおふでさき《六号88~103》
いまゝでハなにかさとりもありたけど
もふこれからハさとりないぞや 六号101
親神が人間をたすけるためになされる「かやし」について、どのように受け止めたらいいのかを諭されています。
人間の成長のために親神は心をつくしてきた(88)。ところが高山はそれを知らずに蔓延って人間心で世界を思いのままにしている(89)。月日親神はそれが第一に残念であるからどんなかやし(働き)をするや知れない(90)。たとえば、山崩れ、雷、地震、大風などの自然災害は月日立腹のあらわれである(91)。大社・高山は油断することのないように。月日親神は遠慮はしないからな(93)、と念を押されます。親神としては精一杯にことわりをした上で、月日の仕事(働き・かやし)をするのである(94)。それを決してうらみに思ってはいけない。それは各自のわが身への恨みである(95)。この話口説き詰めてあるからよく聞き分けよ(96)。
一れつはめいめいの胸次第である。常に親神はそれをご覧になって見分けていると思え(97)。その各自の心を神が受け取り次第に働き(かやし)をするのである(100)。
今までは神が何を言っても思っても、それを受け取る方は人間の心ばかりであった(99)。これからはそれが善であろうと悪であろうともそのまますぐに働き(かやし)をする(100)。かやし(神の働き)によってたすけるのであるから、これまでのように人間的立場からの悟りでたすかるというのではない(101)。それがかやし(神の働き)であることを知ってもらわねばならない。この世の真実のをや・月日であって、そのをやが働いてよろづの守護するのであるからそれ(かやしの神意)を知らねばならないのだ(102)。この先将来は親神が言われることに嘘はなく真実であると思ってこの話を聞き分けてもらいたい(103)。
■(36)きょうのおふでさき《六号104~117》
これからハいたみなやみもてきものも
いきてをどりでみなたすけるで 六号106
月日親神が真実にたすけたいと思って始めたことばかりである(104)と言われ、その具体的なたすけについて語られています。病のたすけである。今までは病と言えば医者だ、薬だと言って心配をしてきた(105)が、これからは痛み、悩み、できものも「いきてをどり」のおさづけでみなたすける(106)。このたすけは今まで誰も知らぬことであるが、これから先は「試し」してみよと言われています。どのような難しい病気であっても、親神は真実なるの「いきのさづけ」でたすける(108)。真実の心を見定めて「いかな守護もする」(いきてをどり以外の働き)(109)も見せる。おつとめによって子どもの疱瘡も麻疹もせず病まず死なずに暮らせるようにする(110)。どれほどの自由自在の働きを見せると言っても「月日の心」からできるのであることをよく聞いておけ(111)。
112以降また「かやし」(働き)の話題に戻って、まだ言い足りない月日の思惑が説かれる(112)。積もり重なる月日の残念を言うて聞かせる(113)。このところ(おやしきにおいて)たすけ一条(おつとめとおさづけ)を止められてそのかやし(神の働き)をせずにはいられない(114)。このかやしは「大社高山を取り払う」(社会事象)にあらわすから承知しておれ(115)。また天火、火の雨、海は津波など(自然現象として)あらわす(116)から、その親神の残念、月日の心配に思っていることを世界中な何と思って暮らしているのか(117)とその胸中を明かされました。
■(37)きょうのおふでさき《六号118~134》
このはなしなんとをもふてきいている
月日をもわくふかいりやくを 六号126
第六号の最後の段落になります。ここでも月日親神の子どもに対する心配に思われている話(くどき嘆き)(118)をされて注意喚起を促されています。
この世はすべてが月日が支配(守護)する世界であって「神の体」である。人間はその月日の子どもであり、身の内かしものである(119)。世界中がこの真実を知ったなら「剛気強欲」出すものははい筈である。ところが親神が教えることはすべて否定して人間心ばかりになっている。これではたすけることはできない(123)。
今までもこの世をはじめた真実を教えておこうと思ったけれど、月日はその刻限(時間)を待っている(125)のである。この話(これまで説かれてきた人間元初りの話)をどのようなものとして聞いているか。月日親神には深い利益(りやく)を見せてやろうとその準備をしている(126)のである。それは人間だれもが考えているようなものではなく、おつとめによるめずらしいたすけ(127)を考えているのである。しかしこれまで自由自在の働きをすると説いてきているが、まだ今までその働きが見えたことがない(128)。このたびはその真実をしてみせたならこれ(話)が真実誠であるとわかる(129)であろう。体内へ宿し込むのも月日親神の働きであり、生まれ出すのも月日親神の世話取りがあってなされることなのである(131)。これを見ていかなものでも得心をせよ。人間の心次第にどのような自由も見せる。たすけには真実の心が不可欠で、神は真実の心次第にみなしてみせる、と第六号の話を締めくくられています。
■きょうの自炊本
きょうの自炊本はありません。それに代えてキンドル本です。
[田中 英道] [増補]世界史の中の日本 本当は何がすごいのか (扶桑社文庫・2017年刊).epub
https://drive.google.com/file/d/1salp_79cOMTstZElo_6KXaQ0Jun6iLcq/view?usp=sharing
https://www.youtube.com/live/2whFo1CbOH8
*「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和八年(2026年)3月9日(月曜日)
通巻第9192号 <前日発行>
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気がつけば「ドローン世界一」は、かのウクライナ
トランプがゼレンスキー(ウクライナ大統領)に「ドローンを譲れ」
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ロシアのウクライナ侵攻開始後、欧米はウクライナへ猛烈な武器供与を開始したが、長距離ミサイルなどは厳重に規制した。ウクライナにはドローンを供与せよとしていた。五年後、欧米はウクライナからドローンを輸出して貰おうとなった。
主客逆転である。
とくにトランプ政権はイラン攻撃でミサイル在庫が払底の懼れがあり、くわえてドローンが決定的に不足、ひそかにゼレンスキーに打診し、ドローン供与を要請したという。この商談は100億ドルから300億ドルになると予測される。
現在、ウクライナの防衛製造における主要パートナー国は、英国(空中および海上ドローン)、ドイツ(砲弾、防空システム、装甲戦闘車両)、ノルウェー(ドローンとスマート兵器)、チェコ(迎撃ドローンと防空)、デンマーク(砲兵システム)で、ウクライナ政府は2026年末までに欧州諸国、特にバルト三国と北欧諸国に10か所の輸出センターを設立する。ドローンの輸出に力点を移すのだが、現地生産も軌道に乗り、すでに英国では生産開始、三月にはドイツでもウクライナ製ドローンの生産が開始される
ロシア軍優勢と言われたのは2025年初頭までで、ウクライナが奇跡的にレジリアンスを発揮し、戦局を換えたのはドローンである。まさに戦争は発明の母!
2025年にウクライナから発射されたドローンは82万機、ロシアの標的を破壊もしくは損傷の80%はドローンによるもので、ウクライナ大本営発表ではロシア兵25万余を死傷せたという。とくに特殊ドローン部隊は「マディヤルの鳥」と言われ、戦果優秀とゼレンスキーが表象したという。
2026年にウクライナは700万機のドローンを生産すると豪語し、じつに450社のドローンメーカーがウクライナ国内に林立している。いずれ供給過剰となる。
このドローン大国に変貌したウクライナに瞠目したのは欧米の防衛企業と投資ファンドである。
2026年2月、ゼレンスキーはウクライナの武器輸出を正式に承認した。
ウクライナはもはや中国の技術を必要とせず独自の改良で、「ドローン大国」となったのだ。
ウクライナ大統領は、2026年は「ウクライナの技術への投資の年」になると考えており、その推進の中心にドローンが位置づけられる。「今日、欧州の安全保障はテクノロジーとドローンの上に成り立っている」とし、「ウクライナのテクノロジーと専門家に支えられ幾つかの多国籍プロジェクトが進行中だ」と指摘した。
▼欧米企業とファンドが陸続とウクライナのドローン企業に投資をはじめた
直近でもキエフを拠点とする防衛技術企業「フォースロー(TFL)」は、米国の公共安全技術グループ「アクソン(AXON)」の支援で資金を確保した。投資額は明らかにされていない。フォースロー社によると、この資金は、シャヘッド型攻撃ドローンへの対抗策や都市および重要インフラの防衛を目的とした新たな自律機能の研究開発に充てられる。同社のアンチシェヘド(イランのドローン迎撃)は、AI搭載型でロシア・イランの攻撃ドローンを人間の目よりもはるかに速く検知し、迎撃する。
ウクライナは当初、中国の技術に依存していたが、この問題を独自に解消し、神風ドローンなどを開発してきた。ウクライナの若手デジタル世代が育成された。
最新型神風ドローンはAI搭載、アルミフレームで時速700キロ、航続距離700キロ米国が供与を渋ったハイマース(800キロ~1200)と航続距離だけは遜色がない。ただし搭載できる爆弾は50キロなので破壊殺傷力はミサイルに劣る。
だから数を飛ばし、集団攻撃の威力を発揮する。部品の一部、光ファイバーなどは日本製が使われている。
米国のウクライナ系投資ファンド「MITSキャピタル」は、ウクライナの「テンコア社」に374万ドル投資を決めた。多目的務無人地上車両2000台を生産する。
戦場通信の「テレタクティカ」社に米ファンドが150万ドルを投資する。
またデンマーク最大の防衛企業「テルマ社」はウクライナの「ODDシステム」と提携し、迎撃用のAI搭載ドローン開発に提携する。ODDはもともとカメラの会社である
この他米国の四つのファンドが合計1億ドルの投資を決めた
ウクライナのモーター企業「アエロモーター」にスウェーデンが55万ドルを投資、生産能力を三倍にあげる。
エストニアの「ファーサイト社」は地理空間認識、対応システム、防衛ロボットの自動化のたえめ860万ドルをウクライナに投資する。
いつしかウクライナのドローン技術は大躍進を遂げていた。繰り返すが「戦争は発明の母」である。
3月7日、トランプ米大統領は大手防衛企業の経営陣と会談し、「高性能兵器」の生産を「可能な限り迅速に」4倍にする話し合いを行った。
トランプはヘグセス国防長官とともに、米国最大級の防衛企業の最高経営責任者(BAEシステムズ、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン、RTX、ボーイング、ハネウェル、L3ハリス・テクノロジーズ)と会談し、加速生産プログラムの下で弾薬備蓄の迅速な拡大を協議した。
□▽◎☆み◎☆◎○や○☆◎○ざ☆○◎☆き☆◎☆□
*「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和八年(2026年)3月9日(月曜日)弐
通巻第9193号
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アメリカ政治のおけるカソリックの浸透
成功の秘訣は団結、友情によるチームワークとするのは日本的だ
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歴史家のアーノルド・トインビーが1967年に訪日したおり伊勢神宮に参拝して次の記帳をした。
「ここ聖地にあって、全ての宗教の根源的統一を感じる」(Here,in this holy place、I feel the underying unity of all religions)
トランプ大統領の信仰する会派はプロテスタント系長老会派。ヴァンス副大統領はカトリック、閣僚たちの信仰宗派をみるとヒンズー教も混ざっている。
これら信仰とAIとはいかなる相関関係になるのか?
井上弘貴『アメリカの新右翼』(新潮社)はタイトルが狭窄な印象を抱きかねない。『アメリカの保守思想の新潮流』とすると内容にぴったり、日本の保守陣営にとってはトランプがどうしたこうしたという浅薄なアメリカ論を脇に置いて本格的な思想潮流の変化に関しての論考である。
登場する”思想家”がイーロン・マスク、ピーター・ティール、タッカー・カールソン、JDヴァンス(副大統領)となると、なんだかテクノリバタリアン勢揃いの観ありだが、当該書は、そうした保守思想の新らしい潮流への変化にある背景、とくに彼らに、どのような思想に影響を受けたのか、その地下水脈を述べている。
ここが大事なのである。キーワードはカソリック的価値観の復権である。
ピーター・ティールのスタンフォード大学での恩師はルネ・ジラール教授だった。ティールは基本的にカソリックの宗教的要素を思考に深く取り入れており、もともと熱狂的にトランプを支援したわけではなくときに距離を置いた。
JDヴァンス副大統領がティールの部下だったことは有名だが、(つまり“ペイパル・マフィアの一員だった)、無名のヴァンスをいきなり上院議員に推薦し、トランプを動かして共和党の正式候補とし、ティールは選挙に大金を注ぎ込んだ。上院議員に当選。そして二年も経ずして、こんどはトランプ・ジュニアをくどき、ヴァンスを副大統領候補に担ぎあげた。
このふたりに共通する影響を受けた思想家がいる。パトリック・デニーンである。そして後者デニーンも、ジラールも、ティールも、ヴァンスもカソリックを信仰している。かれらはアメリカ伝統の古典やナショナリズムに懐疑の眼を向ける。カソリック的な価値観を重視し、テクノロジーを積極的に受け入れる。その代表がパトリック・デニーンである。デニーンは『体制変革』という著作でこう述べている。
「堕落した、あるいは堕落しつつあるリベラルな支配階級の、平和的ではあるものの断固として打倒と、ポストリベラルな秩序の創造、その秩序のもとでは、既存の政治の仕組みは残るが、根本的に異なるエートスが、そうした制度や主要な役職や立場をしめる人びとに吹き込まれることになる」(訳文は井上前掲書)。
2016年のトランプの当選はオールドライトの終焉を意味し、伝統的な自由主義の価値観は大きく後退した。
これがトランプ変革の第一歩だった
クリントン、ブッシュ、オバマ政権に猖獗したネオコンは影響力を失い、所謂「ディープステート」という既存のエリートは焦った。
▼ディープステートは消えてはいない
ディープステートは消えてはいないけれどもメンバーの組み替えが進んでいて、共和党内では非主流派に、民主党のほうに多くのメンバーと思われる人びとがいる。それを象徴したのが2025年11月に催行されたチェイニー元副大統領の葬儀列席者である。ブッシュジュニア元大統領とバイデン前大統領夫妻がならび、隣がカマラ・ハリスとマイク・ペンス前・元副大統領。
トランプは欠席。ディック・チェイニー元副大統領が誰誰と親しかったかが、よくわかる風景だった。
トランプは堂々と左翼の隠れ蓑だったポリコレ(リベラルが一方的に決めた差別用語の禁止)を踏みにじった。リベラルは敗北したのだが、それを認識できなかった民主党上層部は極左の吹きだまりとなっていた。カマラ・ハリス(2024年大統領選民主党候補)は惨敗した。
パトリック・デニーンには『リベラリズムはなぜ失敗したか』(邦訳は原書房)を世に問うた。アメリカや西側先進国の社会的病理や文明の疲弊はリベラル政策では解決出来ないのであり、むしろリベラリズムを放棄し、個人の自立が重要で、そのために徳の復活を力説し、共同体の復権を求めた。
ピーター・ティールがのべているように成功の秘訣は団結、友情によるチームワークだとする。まさにカソリック的な価値にある。テクノリバタリアンが合意するかのように日本に憬れを抱くのは、その団結する力である。
反中政策の考え方にトランプとティールには齟齬がある。
トランプの反中国政策なるものは「経済と軍事の競争関係に依拠するものであり、トランプの下ではすべては取引次第となる」。ところが「ティールの反中主義は、単なる中国脅威論ではない。(中略)。ティールの反中主義の背後には、独特なキリスト教理解に根ざした世界把握が隠れている」とデニーンは言う。
▼フランス文化を破壊し、ドイツは別の国になって、アメリカは気がついて不法移民排斥を強行した
トランプはすでに50万人の不法移民を強制送還し、希望者には1000ドルと帰国の航空券をさしだすとしたところ、200万人が自主的にアメリカをさった。
この多文化共生は独自の文化を破壊するとする懸念を体系化したのはフランスの思想家ルノー・カミュである。
「長く共有された歴史や文化を、同じように切望してくれる者たちは、ある人びとの輪のなかに同じように入ることができる。しかし、自分たちはあくまでも自分たちのままであるという人びとは、他の人びとの輪のなかに入ることはできない。かれらがしようとしているのは征服であり、元の人びとに置き換わろうとしているのである」
このポイントを著者の井上教授は次のように解説する。
「『大いなる文化の剥奪』は、教養ある階級の文化が大衆文化によって駆逐されていく過程であり、それとの連動で、文化が文化産業によって置き換えられる過程である」
まさに日本のいまの惨状に当てはまる。
「前提にあるのは、民主主義の普及であり、とくにあらゆる領域にまで平等がいきわたることで、優越ということが許容されなくなる全的な民主主義が拡大している」
このことをカミュは『ハイパー民主主義』と名付けた。ルノー・カミュは『君たちはわれわれを置き換えることは出来ない』という著作の中で、これは移民にかぎらず広く一般的な現代社会での価値観の置換、転倒、倒錯におきかえられてしまった。すなわち「模倣され代替され、さらには模造されることで、本物は紛い物に取り替えられていく」と警鐘を乱打した。
この現象はフランス文化を破壊し、ドイツは別の国になって、アメリカは気がついて不法移民排斥を強行した。不法滞在の外国人タウンがそこかしこに形成され、日本の水源地や基地周辺、はてはタワマンをまるごと購入する不気味な外国人の動きに対して、何もしない日本は、いずれ民主主義の根幹を脅かされることになるかもしれない。
移民に関してアメリカの真保守主義はそれほど寛容ではない。
そもそも「多文化共生など成功した試しはない」(西尾幹二)。
▼静謐な日本文化への憬れ
彼らの多くに共通する特徴がある。日本に憬れを抱いていることだ。
マスクは家族のお忍び旅行は日本で、ロボットに日本人は愛玩用も開発したことに注目し「鉄腕アトム」「ドラえもん」「アラレちゃん」を称賛した。殺人兵器としてのロボットに熱中する中国人との討論でこの意見を開陳した。
中国のロボットは「産業目的より軍事ロボットの量産だ」とマスクは指摘した。この場合のロボットは人間のかたちをしていないものを含む。猟犬ロボットのうえに機関銃が搭載されていたり、さしずめドローンは爆弾を積んで目標を正確に攻撃する、AI搭載型爆撃ロボットと言える。愛玩ロボットなど中国共産党の発想にはない。
ロボティックス開発競争では産業ロボットでは日本が首位、戦争ロボットでは米・中、とくにドローンでは“量産”という意味に於いて中国が世界一である。工場のFA(ファクトリー・オートメーション)工程にロボットを導入したのは日本が最初だった。EUや米国は職場が奪われるとして労組が反対しため大幅に遅れ、それが競争力の低下に繋がった。
労組は効率生産、省力化という企業の合理化に反対して、既得権益にしがみついた。その一方で賃上げ要求のためにストライキをおこなってきた。総合的に企業競争力を弱め、操業短縮、大量のレイオフへつながる。米国のラストベルトは近代化に背を向けた結果おきたことである。ストライキをやると公安がとんでくる国ではノルマをこなす以外には労働者は何もしない。創意工夫に情熱を傾けない。ひたすら生産目標達成のみに努力する工場では革新的なイノベーションは望み薄なのである。
ザッカーバークは柔道に凝っている。オラクルのエリソンは京都南禅寺に別荘と日本庭園を立てた。マイクロソフトのビルゲーツも軽井沢の別荘には檜風呂を特注した。ピーター・ティールは、何回か来日し日本の友人も多い。
アップルの創業者だったジョブスは禅に取り組んだ。レヴィ・ストロースは宮崎県青島のウガヤフキアエズをまつる神社へもうでて、神話の世界が現実のものかとおもったほど美しかったと言い残している(『月の裏側』)。
それを聞いていた日本の学者たちは西洋思想に染まっている人が多く、キョトンとしていたとか。西洋は論理的にわりきれない世界とは別物という考え方に傾くから異物を寛容に受け入れない。
レヴィ・ストロースが挙げた日本の神秘的な独創性とは三つ。
「第一に外国文化が伝来しても、一神教のように排撃しないで、完全に消化して取り組んだ後、日本伝統の高次元の”編集能力”にある。たとえば、日本は漢字を輸入して溶かし込んだ後にひらかな、片仮名を発明し独創的な芸術的な日本語を完成したこと。つまり中華文明を超えたのです。
第二に神話が現在も日本社会の隅々で生きていて古代の神々との交流があり、神話と堅く有機的に結びついている。これは西洋文明のようにガラスケースに入った屍体ではありません。
第三に縄文の精神。西洋が捨て去った古代、ピラミッドの影さえなかった時代に日本では土器が創られ、芸術としての土偶をつくり祭器に用いて祈り、戦争をしない平和な時代が一万年以上も続いたという奇跡。居住地は城壁のない、武器を創らなかった文明だった。自然と共存し人々は天と地への祈り、霊性の文明を構築していた。これらを日本人は誇りとすべし」
テクノリバタリアンたちがそこまでの精神性、悟りの世界に憧れているのか、まだエキゾティック趣味、独自的な文化への憬れだけのレベルかは分からない。AIが進歩して効率化が進み、人間がその判断をAIに委ねるというような、情緒が理解できない機械が人間を支配する時代がくるかもしれない。
そんなおり日本文化に磁石のように強く惹かれるのは、矛盾と相克、愛憎、論理か非論理か、科学的でないものを排斥するという二元論の西洋から、その殺伐な空気に支配されていない日本の合意重視、他人への忖度と思いやり、AIが人間を超えるスーパーインテリジェンスを持つかも知れないという先端技術の担い手たちは、日本の思想を理解しようとしているのである。
□▽◎☆み◎☆◎○や○☆◎○ざ☆○◎☆き☆◎☆□




















































