峠工房には、来年航行受験の者が2人いる。

2人とも支援校ではないところを目指している。

 Dくんは、小学校は個別支援級だったが、卒業式の日に、「僕には友達がいないんだ」と、今まで全く苦にしていなかったことに気がついて、自分から中学校は通常級で学びたいと思い立った。

お母さんの奮闘努力が実って、1年政治は個別支援級に籍を置いて、通常級で学ぶお試し期間としてもらい2、3年は普通に通常級で学んで来た。

 ものづくり、特に木工が大好きな彼、恋してるんじゃ?とからかわれるぐら木工教育に熱心な県立の工業高校建築科に進学したい。

あこがれと、熱意と、こだわり。

 小6年間個別級だったから、土台が軟弱だし、と癖として、文章理解が苦手、自分勝手に思い込んだ部分にフォーカスすると言う弱点もあるが、受かってもらいたい、多分受かるんじゃないか、と期待を込めて思っている。

かぎは面接の出来にある。

 

 モンダイはE君だ。

小、中と9年間個別支援級。

 小学校高学年、中1あたりまで、問題児扱いされていた。

私たちから見れば、彼に合った支援がされて来なかったせいだと判断できる。

 社会性もせまく、コミュニケーション能力がありそうに見えるが実は、数種類の言葉を場面に応じて発したり、「ヘエー、そうなの」「わかんない」「忘れた」で逃げる。

自他が未分化で、現実には自分が意地悪されてるのにみんなが笑ってるから自分も楽しいと思い込む。

さそいに来るから友だちだ、友だちだから、何でも言うことを聞く。

感情も未分化だから悲しくて泣いた事は無いと言う、

 本当にもったいなくてなんとかしんかや、と悩んだ。

 で、去年の夏以降、作文指導で追い立てた。

言葉を知る、自分で考える、表現する、興味の幅を広げる……何度も話し合い、書き直しを重ねるうちに変わってきた。

その成長ぶりには目を見張った。

今までの中学校生活を振り返って原稿用紙11枚の対策を仕上げた。

そして、彼はもっと勉強したいと思うようになり峠には定時制高校2年生の先輩がいるので、自分も家の近くにある高校の定時制を受けたいと希望した、というわけ。

 

 だから、彼の学習の土台は、超軟弱地盤で、液状化現象まで心配するほど。

でも、「理科とか社会もやってみたい」「しょうらいやりたいことが見つかるかもしれない」なんていわれると、全力支援しないわけにはいかない。

 個別支援級から普通校を受ける場合、いわゆる内申が出ないので、入試と面接が鍵となる。

入試はボロボロだろうから面接でなんとかしなければならない。

面接指導、がんばるぞー!!