長いこと生きていると、思いがけないところでしばらく逢っていない人と偶然の再会を果たす…そういうことって、誰にも一度はあるのではないかと思いますが、それは「モノ」についても同じ事が言えるようです。

昨年末に、ブログ友だちのまさまさ氏より『こんな列車が来るよ~』というお知らせをいただきました。いくつかか候補があって、ほぼ誰もいないであろう夜中に行ってみてもよかったのですが、さずがにそれは全貌が分からないと思ったので、ある日の午前中に試運転が行われるルート上にある、自宅最寄り駅へと向かいました。

 

 

 

とりあえず練習撮影…この日は曇天で、スマホカメラの焦点がちょっとずれるだけで露出の具合がコロコロ変わるのと、画面に貼っている保護ガラスが青白いフィルターをかけたような状態になって、だいぶ試行錯誤して撮影することになりました。これも不本意ですけど、この日に頑張れた精一杯の結果です。

 

 

 

お目当ての列車は電気機関車に牽引されてやってきました。たった一度だけですが、この駅で高松へ向かうブルートレイン『瀬戸』に遭遇したことがあります。1990年の中頃の話ですから、携帯電話はあってもカメラ機能の付いた物が登場する前の事なので、その時の映像は私の脳内にしか残っていないのですが…後ろにつながれている車両は背高な感じですし、機関車にヘッドマークでも付いていたら…もう「ソレ」にしか見えませんね(苦笑)

 

 

 

 

到着したのは「THE ROYAL EXPRESS」。

1993年に製造されたこの車両、かつては主に伊豆急行線内で『アルファ・リゾート21』という愛称で運行されていた電車でしたが、横浜~伊豆急下田駅間で運行する観光列車に改装することとなり、2017年から運行を開始しています。この列車の運行形態としては、交通事業やリゾート事業などを手がける東急が催行する形でJR東日本と伊豆急行が運行を担っています。その後、JR北海道が観光振興と地域活性化を行うプロジェクトを企画し、それに前述の3社が協力する形で北海道クルーズが行われ、大きな成功を収めているようです。

そして今年の1~3月期においては、JR四国・JR西日本・JR貨物・東急の4社協力による3泊4日のクルーズ観光が行われることになっており、まさにその試運転が行われていたのでした。

 

 

 

機関車との連結面に注目すると、「SHIKOKU SETOUCHI CRUISE TRAIN」という文字が見えます…この時のためだけとはいえど手抜きはしない、デザインを手がける水戸岡さんの熱意が伝わってきます。

もともとは電車の「THE ROYAL EXPRESS」ですが、今回は寝台としての機能はもたない客車として運行されるようです。

 

 

 

編成の最後尾には、登場時は荷物客車として、国鉄最晩年に鉄道荷物輸送が終了した後は485系電車を改造したジョイフルトレイン「リゾートエクスプレスゆう」に連結する電源車に転用された「マニ50 2186」が連結されていました。先頭の機関車はブロワーの排気音がやかましく、客車は静かにジョイント音を鳴らして、殿の電源車は装備する発電機を低く唸らせて去っていく…寝台列車が無くなってずいぶん経ちましたが、私が見たことのある寝台列車の構成ってこんな感じでしたね、新しくできたものだけど、懐かしく発電機のエンジン音を聴いておりました。

最後尾のマニは「初めまして」でしたが、客車としているほうは「2度目まして」でして。

 

 

 

基本的に「リゾート21」という愛称名が付いた電車は伊豆急線と伊東線を運行エリアとしているのですが、一部の列車が東京駅まで乗り入れる時代がありました。写真フォルダには2007年2月3日の日付があり、記憶の中では大船駅で電車を待っていた時に偶然現れた、伊豆急行「アルファ・リゾート21」になります。ウィキペディア情報からすると『リゾート踊り子』という列車名で運行していたのではと思います。

この時に逢ってから17年、まさか私の地元で再会することになるなんて想像すらしませんでしたが…それにしてもずいぶんと立派になられましたね(笑)

この「THE ROYAL EXPRESS」に乗車するにはドレスコードがあるようですが、いつかは乗ってみたい列車です。