今から5年前の7月、私の住む地方では豪雨災害が発生し、とくにテレビ報道では頻繁に倉敷・真備町の河川氾濫による浸水被害が取り上げられることとなりました。その真備町には、全国からプラモデル好きな人が多く集まる「エラヤ模型店」というホビーショップがありました。残念ながらこのお店も被災してしまい、お店はいったん廃業しましたが、のちに真備町から矢掛町で再スタートを切られています。

いったん廃業する直前の2018年9月下旬、格安の値段で各種製品が販売されていたものを数多く購入していました。泥にまみれてしまった商品を分解・洗浄して、交換できるパーツは交換して、走行に違和感がない状態まで復原作業を行ってきました。きょう取り上げる模型車両も、泥水をかぶった状態のものを洗浄したのはずいぶん前のことですが、ライトの集電性能にやや難がある状態を直すのに苦労をしたものになります。

 

 

 

 

2018年4月にTOMIXから発売された、JR四国のキハ181系特急形気動車の6両セットです。

国鉄時代に製造されたキハ181系は、12気筒エンジンによる大出力を武器に勾配区間が連続する山岳路線の特急列車として運用されました。その例としては奥羽本線「つばさ」、中央西線「しなの」、伯備線「やくも」、土讃線「南風」などとなります。国鉄からJR四国で継承された車両には、クリーム色の下地にコーポレート色でもあるライトブルーが塗られた仕様となりました。その後、予讃線の電化や新鋭の特急形気動車が登場するなどして淘汰が進み、1993年までにすべて廃車されています。

この模型車両は前述の103系岡山色の次に被害が大きい車両で、室内灯を装着するに際して集電する金属パーツをアルコールや超音波洗浄するなどしましたが、完全には取り除けない汚れがあるらしく、日によって室内灯が点いたり点かなかったりしています。荒療治ですが精密ドライバーの先でゴリゴリこすらないといけないのかもしれません。

また定速走行しない現象があることから集電性能の悪さばかりを対策していたら、最終的にモーターがショートしてしまい、新品のモーターに交換…そのモーターも交換してから試走30分ほどでロックするというイベントがオマケで起きましたけど(苦笑)

 

瀬戸大橋線を走ったキハ181系は何度も見ていますが、それは中学生だった頃がほとんどで、この塗色は記憶の中でしかありませんが。

 

 

 

初乗車を果たすことができたキハ181系は、大阪~姫路~城崎温泉~浜坂を結んだ特急「はまかぜ」でした。

撮影日は2008年2月26日、大阪駅で撮ったものになります。会社の出張を終えて帰路に就くところですが、普通に帰るのはどうなのかという想いがあり、引退の声が聞こえ始めていたキハ181系に乗車することと、架け替えることが決まっていた餘部鉄橋を見学することを合わせる形で、この「かにカニはまかぜ」に乗車したのでした。ヘッドマークに掲示されているとおり、車内はカニ食べ放題ツアー?に出かけるおじちゃん・おばちゃんで活気づいておりました。

 

さて、この豪雨災害に被災した車両の導入紹介記事は、ずいぶんと長い期間をかけることになってしまいましたので、最後にリブログを貼り付けて終わることにしますが…実はもう1種類、寝台特急カシオペア・E26系客車の増結セットというものも購入していますが、こちらは錆が車体全体に回っていて、また外装の塗色も一部が剥がれてしまっています。予め、事故品だと分かって購入していますから、メーカーに商品交換の交渉をするのも違うかなと感じたので、こちらは何かしらの改造をしてみようと考えています。さて、どれだけの年月がかかるかな?(苦笑)

 

この記事を含め、合計14種の商品を購入した総額を振り返ってみると、6万460円という記録がありました。レジ精算も卓上電卓で行われたのでレシートもなく、個別の値段がいくらだったのかまでは不明なままですが、雰囲気で金額予想をすると定価の3割程度で販売されていたのではと思います。しかし金額はどうであれ、縁あってウチに来たものですから、大事に扱って遊んでやろうと考えています。