活版印刷の工程 | 高級和紙名刺専門店。人間国宝の和紙で名刺を作ります。和心工房

活版印刷の工程

こんばんわ。和紙名刺専門家のたかはまです。

本日はあいにくの雨でしたね。

明日は天気よくなりそうなので楽しみですね^^

さて、本日は、「活版印刷の工程」というテーマでお話したいと思います。

活版印刷は、その昔はポピュラーな印刷方法でありましたが、最近では、オフセット印刷の台頭により、衰退傾向にあります。

今では、名刺やはがきの印刷など、限られた品目の印刷でしか扱われておりません。

しかし、オフセット印刷では真似のできない、深い味わいのある印刷方法が、この活版印刷です。

活版印刷の工程は、大きく4つのパートに分けられます。

1.文選(ぶんせん)
2.組版(くみはん)
3.印刷
4.解版(かいはん)

1.文選(ぶんせん)




原稿を基に、文選(ぶんせん)という作業を行います。

活字を活字棚から拾いながら、植字作業(しょくじさぎょう)をするのはとても効率が悪くなります。

そのため、原稿中の文字のみを、文選箱(ぶんせんばこ)という小箱に、あらかじめ拾っておくという作業を行います。



文選後(ぶんせんご)の活字です。

これらを組み合わせて「版下(はんした)」を作成します。

その作業を「組版(くみはん)」と呼びます。

組版(くみはん)の工程上、逆地に拾っています。



特殊なロゴや書体などは、樹脂版(じゅしばん)を作成する事で版下(はんした)を作成します。

当店では楷書体(かいしょたい)とゴシック体が中心の為、毛筆体(もうひつたい)などの書体や、規格外の大きさの文字は樹脂版を作成します。

2.組版(くみはん)



文選した活字を原稿を基に組立てます。

インテルや込物(こめもの)を入れながら、ステッキという専用の道具の上に組んでいきます。

インテルとは、活字を改行するのに使う板、込物(こめもの)はスペースなどを開けるのに使う鉛の板です。

レイアウトやバランスなどは、ここで調整していきます。



組み上がった版を印刷機に取り付けられるように、金属の枠の中に組み付けます。


この金属の枠のことを「チェース」といいます。


3.印刷



版を組こんだチェースを印刷機に取付け、見当(印刷位置)と印圧(凹凸が出ないように)、インクの濃度を調整します。

調整が終わったら校正を経て、本刷り(ほんずり)に入ります。


活版印刷の仕組みはいたってシンプルで、ローラーのインクを版下に載せ、それを紙に転写する方式です。

当店では、紙送りが自動のものと、手動のものの2台の活版機を使っており、印刷物に応じて使い分けをしています。

4.解版(かいはん)


校正、調整が全て終了したら完成です。

印刷が終わったら、ローラーの清掃と版の清掃をして終了です。

印刷機からチェースを外し、版を油で洗います。

洗浄後、版を分解し、活字や込物(こめもの)、インテルなどを所定の場所に戻します。

この作業を「解版(かいはん)」といいます。

活版印刷は100枚~10,000枚前後の、小部数で精度の高い印刷物に向いている印刷方式です。

このような流れで、活版印刷物が生まれます。

当店、和心工房の名刺は、和紙にこの活版印刷を施すため、非常に格調高い名刺に仕上がります。

和紙の活版名刺のご注文は、こちらよりお願い致します。

また、名刺だけではなく、はがきや封筒への印刷も可能です。

名刺以外への、印刷をご要望の方は、こちらよりご一報いただけると幸いです。


参照:大沢印刷ホ-ムページ