1 中国文明 前6000年頃、黄河・長江流域に新石器文化が形成された
黄河文明では雑穀中心、長江流域では稲中心の粗放な農耕が始まる
仰韶(ぎょうしょう)文化…磨製石器や彩陶を使用 黄河中流域
粟の栽培、豚・犬・鳥の飼育などの農業が始まる
竜山文化…牛馬飼育、三足土器などの黒陶使用 邑(集落)形成 黄河下流域
※夏王朝…禹(う)が創始したとされる中国最古の伝説的王朝
長江文明…水田を持つ集落 川姆渡(かぼと)遺跡
三星堆(さんせいたい)遺跡
2 殷(前16c~前11c)氏族集団が連合、城郭都市=邑を従属させる
殷墟…河南省安陽市にある殷王朝の後期の都の遺跡。巨大な王墓。青銅器の祭器。
神権政治…王は占いなどで神の意思を確認し、政治を行った
甲骨文字…亀甲や獣骨に記された象形文字が使用された 漢字の起源
3 周(西周:前11c~前8c)易姓革命=天命が革まって天子の姓を賜わったとする
都:鎬京(こうけい) 武王が殷の紂王を倒し、渭水流域で発達
封建制度 ・血縁関係に基づく氏族的関係を基盤とした 王は一族や功臣に封土を与えて世襲の諸侯とし、軍役と貢納の義務を負わせた
・ 周王や諸侯は世襲の家臣(卿・大夫・士)をもち、それぞれ地位と報土を与えた。父系集団である宗族が封建制度の基礎となった宗族内の規範を宗法といい、祖先の祭祀などが盛り込まれた
井田法…井の形に農地を九等分した農業制度
真ん中を共有地にした
4 春秋戦国時代(前770~前221)
■春秋時代(前770~前403)孔子の編纂した『春秋』による
異民族の犬戒(けんじゅう)の進入によって周王は都を東の洛邑にうつした (=東周となる)(それ以前は西周)
覇者…周王の権威の下に、尊皇攘夷を唱えた諸侯が他の諸侯を指導した
春秋の五覇(斉の桓公 晋の文公 楚の荘王)(呉王の夫差+越王の勾践「臥薪嘗胆」)
or(秦の穆公 宋の襄王)
■戦国時代(前403~前221) 『戦国策』に由来
晋の家臣が韓・魏・趙の三国に自立し、下克上の風潮高まる
戦国の七雄 斉・楚・秦・燕・韓・魏・趙はそれぞれ富国強兵を志した
繁栄した都市:趙の都(邯鄲 かんたん=現在の北京あたり)斉の都(臨淄 りんし)
5 春秋戦国時代の社会と経済状況
鉄製農具・牛耕の普及で生産力が上昇し、商工業が盛んになった
青銅貨幣の流通
布銭(韓・魏・趙)刀銭(燕・斉)円銭(環銭:秦)蟻鼻銭(楚)
→塩、鉄などの商人が財力を蓄える
周の世襲的身分制度が崩壊し、実力本位の傾向が強まった
6 諸子百家の活躍
●儒家
孔子…仁と礼に基づく理想社会の実現
忠(主君への愛)孝(家族への愛)悌(兄弟への愛)
『論語』『春秋』…魯の年代記
孟子…性善説 王道(徳治)政治
易姓革命を説く…政治が間違えれば天命によって政権交代が起こる
荀子…性悪説 礼治主義 法家に影響を与える
●法家
商鞅(しょうおう)…秦の孝公に仕える
韓非…法家思想を大成
李欺(りし)…始皇帝に仕えた秦の丞相(行政の長)
●道家
老子・荘子…儒家的道徳を批判 無為自然を説く
●墨家
墨子…儒家を批判 兼愛(無差別の愛)非攻(戦争否定)
●縦横家
蘇秦…6カ国合同 秦に対抗する合従策
張儀…6カ国が個別に秦と同盟 連衡策
●陰陽家
雛衍(すうえん)…陰陽五行説
木火土金水の5元素の循環により宇宙の生成変化を説明する
●兵家
孫子…戦争の兵法について 「敵を知り、己を知らば百戦あやうからず」
●名家
公孫竜…白馬非馬論 白い馬は馬ではない
●農家
許行…農業についての研究
7 春秋戦国時代の文学
『書経』周王室の記録が中心
『詩経』最古の詩集
『楚辞』楚の屈原などの詩
五経は『書経』『詩経』『易経』『春秋』『礼記』
8 秦の中国統一
孝公(前4世紀)法家の商鞅を登用し、国力を増強した
●中国の統一●
秦王政が前221年に中国を統一 始皇帝となる
都:咸陽(かんよう)
郡県制(群ではないので注意)
全土を郡に分けて都から管理を派遣し、中央集権化
法家思想の徹底…李欺を丞相に起用(太尉=軍事最高職)(御史大夫=監察)
焚書坑儒…儒学者生き埋め 農業・医学・占い以外焼き捨て
度量衡・文字(小篆 しょうてん)の統一 貨幣(半両銭)
匈奴の討伐 蒙恬(もうてん)将軍 オルドス地方(内モンゴル)から匈奴を撃退 万里の長城を修復
什五の制(農民の相互監視制度)
華南征服…3郡を設置
前209 始皇帝の死後、急激な改革への不満から農民反乱
陳勝・呉広の乱 「王侯将相いずくんぞ種あらんや」前206年 秦滅亡