6.ヘレニズム(2) | ワセモン高校のブログ

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【イラン地方】

 ゾロアスター教…アケメネス朝時代に広がる

善の最高神アフラ=マズダと暗黒神アーリマンの対立を軸とする善悪二元論に基づく

  最後の審判(世の終わりに善が勝利し、悪が裁きを受ける。)

思想がユダヤ教・キリスト教の終末思想に影響を与えた。

  教典は『アヴェスター』  中国では拝火教(祆教)

 バクトリア(前255~前139)

  ギリシア系系住民がセレウコス朝から自立してアム川流域に建国

  ヘレニズム文化を西北インドに伝え、後のクシャーナ朝時代に初の仏教美術であるガンダーラ美術が生まれた。

  大月氏によって滅亡。(=前漢の張騫が使者として来訪)

 パルティア(前248~後226)

  アルサケスに率いられたイラン系民族セレウコス朝から自立。

  東西交通の要衝に位置し、中国との絹貿易で繁栄。中国名は安息     

  (最盛期はミトラダテス1世と2世)

メソポタミアをめぐってローマと抗争し、前1世紀にクラッススを戦死させ、後2世紀にはローマ皇帝トラヤヌスにメソポタミアを占領された。

イラン文化の復活…当初はヘレニズム文化の影響が強かったが、しだいにイラン文化が復活していった。ササン朝ペルシアに滅ぼされた。

 ササン朝ペルシア(226~651)

  ローマとの戦争でパルティアは疲弊・衰退、支配下のペルシア人に独立機運高まる。

アルデシール1世 パルティアを滅ぼし建国 

  都:クテシフォン  ゾロアスター教を国教とする

  ●シャープール1世(241~272) 

     ローマと抗争し、軍人皇帝ヴァレ二アヌスを捕らえた。

     西北インドのクシャーナ朝を攻撃し、衰退させた。

     この時期、マニ教成立(ゾロアスター教+キリスト教+仏教の融合宗教

徹底した禁欲主義。ササン朝で弾圧されるが、国外に影響を与えた。)

  ●ホスロー1世(531~79)(=全盛期)

     ビザンツ帝国の皇帝ユスティ二アヌスと抗争。

     突厥と連合して、中央アジアの遊牧民エフタルを挟撃して滅ぼした。

             (エフタルはグプタ朝を攻撃して衰退させた。)

     ゾロアスター教を国教とし、「アヴェスター」を編纂。マニ教を弾圧。

    (ローマ帝国内で異端とされた)ネストリウス派キリスト教を保護。

ニハーヴァンドの戦い(642)でイスラム勢力に敗北、滅亡。