【イラン地方】
5 ゾロアスター教…アケメネス朝時代に広がる
善の最高神アフラ=マズダと暗黒神アーリマンの対立を軸とする善悪二元論に基づく
最後の審判(世の終わりに善が勝利し、悪が裁きを受ける。)
思想がユダヤ教・キリスト教の終末思想に影響を与えた。
教典は『アヴェスター』 中国では拝火教(祆教)
7 バクトリア(前255~前139)
ギリシア系系住民がセレウコス朝から自立してアム川流域に建国
ヘレニズム文化を西北インドに伝え、後のクシャーナ朝時代に初の仏教美術であるガンダーラ美術が生まれた。
大月氏によって滅亡。(=前漢の張騫が使者として来訪)
8 パルティア(前248~後226)
アルサケスに率いられたイラン系民族がセレウコス朝から自立。
東西交通の要衝に位置し、中国との絹貿易で繁栄。中国名は安息
(最盛期はミトラダテス1世と2世)
メソポタミアをめぐってローマと抗争し、前1世紀にクラッススを戦死させ、後2世紀にはローマ皇帝トラヤヌスにメソポタミアを占領された。
イラン文化の復活…当初はヘレニズム文化の影響が強かったが、しだいにイラン文化が復活していった。ササン朝ペルシアに滅ぼされた。
9 ササン朝ペルシア(226~651)
ローマとの戦争でパルティアは疲弊・衰退、支配下のペルシア人に独立機運高まる。
アルデシール1世 パルティアを滅ぼし建国
都:クテシフォン ゾロアスター教を国教とする
●シャープール1世(241~272)
ローマと抗争し、軍人皇帝ヴァレ二アヌスを捕らえた。
西北インドのクシャーナ朝を攻撃し、衰退させた。
この時期、マニ教成立(ゾロアスター教+キリスト教+仏教の融合宗教
徹底した禁欲主義。ササン朝で弾圧されるが、国外に影響を与えた。)
●ホスロー1世(531~79)(=全盛期)
ビザンツ帝国の皇帝ユスティ二アヌスと抗争。
突厥と連合して、中央アジアの遊牧民エフタルを挟撃して滅ぼした。
(エフタルはグプタ朝を攻撃して衰退させた。)
ゾロアスター教を国教とし、「アヴェスター」を編纂。マニ教を弾圧。
(ローマ帝国内で異端とされた)ネストリウス派キリスト教を保護。
ニハーヴァンドの戦い(642)でイスラム勢力に敗北、滅亡。